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取立CASE6.

さて、今回は自分がこの業界に入ってから初めてのお客さんの件です。

男性、40代、既婚。奥様が連帯保証人になっていました。申し込み時はまだ自分が入社してなかったので、後で聞いたのですが、生活費だった。

自分が前任者よりバトンタッチして受け持った初めての顧客管理。さぁ、頑張ろうと。
しかも、連帯保証人付き。気合も不安もいっぱいでした。

割と、支払いに関して良く、他社の借入もそこまで多い方ではなかった。何より連帯保証人がいるので、不安に思うところはなかった。

自分が担当してから追加融資を二回した後でした。

一日目の遅れが出て、まぁ、大丈夫。連帯保証もいるんだし、と。ただ、連絡しないと。

携帯ではなくて、自宅の固定電話に連絡。連帯保証の奥様が出た。すみません、明日入れますと。
こちらも、素直に分かりました。

そして、翌日。3時まで粘ったが入金なし。

おかしい。急いで連絡。
出たのは、若めの声。子供かな?

「私は○○と言いますが、お父さんかお母さん居ますか?」と聞いた。

その子供から返答が。
「父と母は、今朝死にました。確認しても構いません。」

頭が真っ白になった。。。

「えっと、そうですか。わ、分かりました。」

それだけを言って電話を切った。

顧客情報を見ると、確かに声に当てはまるくらいの子供がいる。年齢は、二十歳前後か。

上司に報告。住民票を追えと。そして、翌日自宅へ訪問。

普通の二階建ての一軒家。生活感もある。

ただ、明らかに違うのは唯ならぬ雰囲気。
まず、隣の家の方に話を聞く。

「昨日、警察と救急車来てた。夫婦で亡くなったって。」

本当だった。

重ねて自宅に訪問するも留守。

誰もいない事に安堵した自分がいた。
子供が出てきたら、何と言えば良いかまるで想像できなかった。

心の中では、複雑な感情が入り乱れて、精神がどうにかなりそうだった。。。

とりあえず、督促状は置いておこう。

翌朝一番で電話がかかって来た。
子供からだった。

「お母さんの手紙があって借金は放棄するようにといわれましたので、そうします。限定相続するなと書いてありましたので、そのようにします。これ以上関わらないでください。」


これが最後に話した言葉でした。

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偶然とは言え、自分の最初のお客の終わり方があまりにも印象的でしかも忘れられない出来事でした。未だに子供の声は忘れられないです。

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LUNA
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