父は名俳優
子供の頃のはなし。
まだ携帯が普及していなくて、やり取りが電話が中心だったころ。
習い事の帰りのできこと。
いつものように習い事の最寄り駅で
私「○○分に乗るー」
と自宅に電話を掛けた。
すると
「どちら様?」
と、男の人の声がする。
「えっ!私だよー。」
やや曇りがちな声で答えた。
すると向こうから
「ごめんなさい。違うと思います。」
そう返ってきた、
私はやってしまった感と恥ずかしさでいっぱいだった。
「すみません。間違えました。」
そう言って受話器を置いた。
間違えたから、再度自宅へかけた。
今度は誰も出なかった。
なんだ、出掛けているのか。
やっぱりさっきは間違えて掛けたんだと思った。
帰りの電車で、あー恥ずかしいと思いながら、頭のなかを思考がぐるぐるとまわった。
しばらくして自宅の最寄り駅に着いた。
改札を出ると、父が迎えに来ていた。
あれ?なんで分かったの?
習い事だから大体同じ時間だから、適当に来たのかな?
そんな風に思った。
家に着くと母がゲラゲラ笑っていた。
なに?
あの電話はお父さんの仕業だったのだ。
2回目に掛けたときは、あまりにも可笑しくて出られなかってとのこと。
全くー!
今でも忘れられない思い出です。
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