いろんな言葉や場所を経験したい
私は基本、精神科領域で仕事している。
とてもその領域にも惹かれた。
もしかしたら自分は精神科領域の対象者だったのではないか、と今でも思う。
いや、たぶんそう。
環境や人に恵まれたから発症しなかっただけなんじゃないか。
当事者の方からの言葉を聞くと常々思う。
「運悪く」発症せずにきている私。
さらには、その領域で仕事しているのだから、何か力になれたらと思い、ふわふわといろんなところに出没している。
昔、語ってくれた入院患者のおばあちゃんの言葉を忘れない。
「こんな田舎の精神科病院で私らみたいなのを相手にした仕事なんて誰も理解してくれないのよ。あなたはそれを理解してくれる人と結婚なさい。」
長い事、入院させられている人が若人に向けた言葉。
こんな悲しい言葉ありますか…
今でも絶対に忘れない。
忘れちゃいけない。
「精神障害だから理解されない」
同じ人なのに…
それを当事者の口から聞く虚しさ。
そして、当時若い私の無力さ。
そんな社会にしちゃいけない。
自分に何が出来るか。
自問自答と、
おばあちゃん患者さんの言葉を胸に、
今日も、そして今も前を向く。
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