見出し画像

丸福楼①

noteのアプリを開くのはもう一年以上ぶりなようで、しっかりとログインに手間取った。

最近はとんと文章から遠ざかってしまっていて、自分が一体どんな気持ちを発露していたのかさっぱりわからなくなってしまっている。
曲がりなりにもクリエイションを生業とする職種の、端っこの隅の隅に席を置かせてもらっているのだからもう少し自分の感じたこと、思うことを素直に言えたらいいんじゃないのと思うのだけれど、はっきり言ってそんなことできたらこんな仕事についていない。(巻き込み事故を起こした気がする)

とはいえ世界中を混乱させたウイルスも一旦のところ目処がたったのか、今年からは旅がしやすそう。旅がしやすそうになってしまったら行かずにはいられない性分で、せっかく旅に出るのならちょっと旅行記でも残しておきたいな。という軽い気持ちで書くことにした。

そもそも私は旅は好きなのだけど、本当に本当に旅に向かない。やれどもやれども上手にはならない。
旅券の準備は手こずるし、自分を信用していないので、ものすごい心配性を発揮してめちゃくちゃ早く空港に行きたがる、そして必ずと言っていいほど忘れ物をする。そのくせマイペースがこの歳まで治らずに団体行動は苦手で、さらにもっというと人が怖いので、見ず知らずの人との団体旅行は無理。理由が幼稚。そして旅先では十中八九ナメられてスリに合う(実績あり)。

そんな私がなぜ、一時期は一年の三分の一を海外で過ごすくらいに旅に出ていたかというと、全ては夫のスーパー調整力の賜物である。行きたい場所、行ける時期などを伝えると彼のお眼鏡にかなった旅行代金であればご提案をいただける仕組み。もちろん一からご提案までいただける。
凄すぎ。

そんな彼のマイルやらホテルのクレジットカードやらのブログはこちらです。

すごい、こういうことができる人が生命力ならぬ生活力があるってことなんだなって、生きるって難しくない?って、毎日思っています。

さて、今回は出張を兼ねて2月の半ばに京都に行ってきまして、よき滞在だったのでそこのホテルや大好きなおすすめレストランなどをつらつら書きたいと思います。
現時点では意欲的。
つい3分前まで来秋のコンセプト文言が出てこなくって検索ついでに自分の買い物に逃げようとしていたとは思えないほどすらっすら文章が出てくる。でも絶対今日はコンセプトは出てこない、そういう日、あるよね?

任天堂/丸福楼

突然だけど、私には0歳からの幼馴染が3人いる。
そこに上の世代の幼馴染も加えると8人。
しかし、全員が男子である。

悲劇的なのはそこではなく、私は幼少期の男子との相性が最悪な質だったことだ。

私の幼少期の運動神経は地に落ちていた。誰もが絶句するとろさ。くわえて歌も下手で幼稚園の発表では一人だけ朗読していたそうで、母はさすがにあわててピアノを習わせた。(自分の名誉のために書き足すと、ピアノは13年、運動能力のためのバドミントンは9年続いたので今は人並みにできます!)
ゲームの類も御多分にもれず、とっても下手。下手っていうか、相手にならなすぎて幼馴染にブチ切れられていた。
ブチ切れられてムカつくので、彼が彼の母に怒られて泣いている時に正面に立って「だっっせえええ」って言ってやった。4歳。

でも任天堂のゲームだけは違っていて、マリオカートやカービイー、どうぶつの森、ぷよぷよ・・・この辺りは一緒に遊べて、しかも楽しかった。

子供の頃は深く考えもしなかったけれど、あれは本当に救いだった。大好きなみんなと楽しめる共通のツールやデバイスは任天堂が与えてくれていた。
それらが考え抜かれたプロダクトなのだと思い知ったのは、自分がファッションの仕事を選んでプロダクトデザインやエンターテイメントの目線から服を考え始めた23歳頃だったと思う。

今回宿泊した丸福楼は、その任天堂の創業地に残る旧社屋、旧住居、旧倉庫をリノベーションしたホテルだ。

古き良き時代にタイムスリップしたかのような待合室は、陰影の使い方が完璧で見惚れる空間だった。

丸福楼の宿泊プランはインクルーシブステイが選べるので、今回はそちらにした。正直言って年末からの立て込んだスケジュールで身体はもちろんのこと脳が疲れ切っているし、食事や暇を潰す時間などを自分の頭で考えずに本や仕事に没頭したかった。

このインクルーシブプランが大変よく、お部屋のミニバー飲み放題、書斎ラウンジを使用でき、お菓子、おつまみ、ホットドリンク、ワインやウイスキーなども飲み放題。後ほど載せるがディナーと朝食はもちろん、翌日のランチまでついてくる。
脳死状態の人間には最高のプラン。

書斎ラウンジはこのような感じで、任天堂にまつわる書籍をはじめ、アートや京都にまつわる感度の高い本がずらり。仕事をして、一息ついてコーヒーやワインを飲みながら新しい本に出会えるのは最高の体験。


もとの建物はそんなことなかったのだろうと推察されるけれど、この植物や石材と木材のコントラストの付け方をこうして切り取ると、なんだかゲームの中にいるみたいでワクワクする。


私が今回宿泊したのは倉庫棟。
この棟の二階のホールスペースはLOEWEのGR8の撮影で村上虹郎さんのカットが撮られた場所だそうで、大興奮で写真を撮りまくるオタクぶりを発揮。



植物にまつわる本がどさりと無造作にディスプレイされている感じもまたいい。

室内を明るく撮るとこんな雰囲気。
完全に脳が思考停止状態だったので、「お風呂が広いです!」とおすすめされるがまま「なんとかスイート」という広いお部屋にアップグレードした。
疲れ果てた人間にとって、お風呂なんて広い方がいいに決まっている。


この部屋も暗くなっても美しい、いや暗い方が一層美しい。
ホテルは基本、連泊しない限りチェックインが夕方で翌日お昼までにはチェックアウト。つまり夜をどう過ごせるかがポイントな訳で、私は夜を美しく彩れるホテルがとても好きなのだが、ここはまさしくどんぴしゃり。


大好きなポテチを発見!
でも我慢。
レストランcartaでの夕飯がついたプランなので、お腹のコンディションは整えていざ行くぞ。

内観は朝のほうが美しかったので、そちらで。
cartaは料理家の細川亜衣さん監修のお料理がいただけるわけなのですが、ワインは丹波ワインが多く取り揃えられていました。
もちろんインクルーシブなので飲み放題ですので、全種類いきました。

疲れていてもお酒が飲みたいのは何故なのか。
夫婦で飲み出すと家でも軽く2本はあくのでうちのエンゲル係数はお酒が引き上げている。


そんな大酒飲みの罪悪感なんで吹き飛ばしてくれる、やさしく懐の深い料理の数々。
しっかりとした出汁を感じる、ポテトフライ。


小豆出汁だったかな、優しい豆の味わいの中にほどけていくおにくが、時間の感じ方をゆったりさせてくれるんですよね。


ポテトサラダ


白子のお料理も、ここでしか食べられない味でした。

全体的に、五感に潜る感じがあって、自分の感度を高くしていくイメージでした。

アウトプットをし続け、ぎりぎりの段階の意思決定を迫られる日々にいると一方的に享受するだけでいいこういう時間が心地よくってたまらない。


お酒もたくさんいただいて、お腹もいっぱいなのに、ずーっとオープンキッチンに鎮座しているシュー皮を見つめておりましたよ私は。
デザートはシュークリーム!

お腹いっぱいで隣のホテルに戻ったら

ラウンジでワインと羊羹でまたのんびり。

この日は朝からmtgだったけど、翌日は予定はお昼頃から。深酒する段取りを組んでおくのがおすすめ。


本もたくさんあって読みたい放題。本の虫と夫に怒られてしまうくらいには暇さえあればずっと本、本、本・・・な私みたいな人には最高な空間。

お部屋に戻るまでの空間も素敵で、一つ一つ細かなデザインが入ってい



文字数も増えてきたので、ここまで。
翌朝はもちろん、翌日の昼食までインクルーシブにしてくれているので他のことに集中できて最高。次はそのごはんを書きます。

前置きを短くすることに努める所存。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?