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歴史と未来を描く「筆の信頼」

日頃、ジュエリーのデザイン画に目を配ってみたことはありますか?

ハイブランドのInstagramなど、ごくたまに絵具で描いたデザイン画を載せていたりします。それが…もの凄く緻密で溜息がでるほどの、暖かみのかよった手の技の精巧さ。素晴らしいんです…。

例えば、これはヴァンクリーフのデザイン画動画。

ジュエリーは燦々と輝くけれど、デザイン画はマットな質感が特徴的。品の漂う優しいタッチのものが多く、例えゴールドであっても金の粉が入った絵具は使わない。

“あんな画が描けるようになりたい"

そんな私ですが、Luminous Within 初期の作品は、デザイナーとしての初々しさでやり過ごしていたような感じです。

金の絵具を使って、ジュエリー業界では異質。クリムトなどの時代感や、金箔の貼られたような日本画が好きだったりと、平面的な部分も日本的だったかもしれません。意図したと言うより、それが精一杯でもあったのです。

(上:2018年の作品。巻貝をデザインした乳間ネックレスで、自然の与えたネックレスと言われる鎖骨と二連のネックレスです。とてもセクシーな魔力を持っています♪)

Luminous Within は開業から3ヵ月を迎えました。その3ヵ月間、いえ、実は…

2018年からジュエリーとは無縁の生き方をしていたのにも関わらず、デザイン画を少しずつ少しずつ書き溜めていたため、2年間の時のなかで、

デザイナー自身も少しずつ成長をして参りました。陰影が上手くなり、立体感が出せるようになりました。

(2020年本日、描きなおした巻貝ネックレス作品。くすんだ印象がくやしい。)

けれど…精一杯は毎回いつでも、初々しい。私の今日の精一杯はほんとうに青かったです。ほんとうに、くやしい。いつになったら、落ち着き払った、経験に経験を重ねたような、威厳の漂うデザイナーさんになれるかな。でも、ずーっとジュエリーを続けていたら、なれるかもしれませんよね!

この言葉、夢を叶えたい私の心に刻んであるんです。なかなか一つのことに夢中になれない移り気な方にも、一つ知識として知って頂けたら良いかもしれません(昔の私もそうでした)。

"信頼は歴史から生まれる。"

恩師から学んだ言葉です。冒頭で掲載したInstagramのハイブランド、Van Cleef & Arpels も、宝石商の娘と宝石細工職人の家系の息子が出会って、愛を育んで以来一世紀、変わらず同じストーリーを語ってジュエリーを展開している。同じブランドが同じ地に紐づいて、同じ世界観を脈々と受け継いでいること自体が、価値となり信頼に繋がるのです。

私もだから、ずっと私の残りの人生の半世紀以上を、ジュエリーに捧げて信頼をひき寄せていければ素敵だ。そして、その時には、もしかしたら風格のあるデザイナーさんになれているかもしれない。

まだまだ駆け出しの私のデザインは、

画が全体的にくすんだ印象になってしまった…

巻貝の印象に引きずられて、18金らしさが出なかった…

宝石の輝きもまだまだ甘い…

有線七宝部分が全然表現できない…

そうやって表現しきれなかった部分がいくらでも湧き出てくるけれど、でも、明日は今日よりも、知識が増えてストーリーが溢れている。きっと今日よりも筆が進む。そして、誰かが信じてくれる一人の人になれるまで、頑張ろう。

歴史と未来を描く「筆の信頼」は、創造性のある生活をいざ続けてゆければ、私に人々の「心」を傾けてくれるかな…誇れる繋がりのある日々へと、頑張ろう。

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