「名もなき美」のデザイン思考
今回はジュエリーを製作するにあたり、私が大切にしてゆきたい「日本的な美」について、私が人生の師と呼ぶもう一人の師から学んできた、あらゆる法則のほんの一握りをお伝えしてゆきたいと思います。
Luminous Within が活動を通して発信してゆきたい<情緒>と言った感受性が、どこから生まれ出ずるのか、ご注目くださいね!
日本的な美は「名づけられない事象の中にこそ潜む」(実は、Luminous Wihtin の美も然り??)
さておき、ミステリアスな感じがありますね!「名もない美」…確かにわびさび的ではあるけれど。
その意味を解説してゆきます。
例えば何かを構図として組み合わせる時、「二等辺三角形」の形のなかにデザインを収めよう、「対角線上」にダイヤを並べよう、「円周に…」「黄金比率で…」「三分の一の場所に…」と言った、「言葉に置き換えられる感覚」でデザインを整理しない、という意味を指します。
(言語化しうる法則に則ることをやめる。それは、おもてなしや旧套(きゅうとう)を脱して新しい考え方をビジネスにあてはめる時にも、役立つ思考の持ち方かもしれませんよね。)
つまり、日本的な美というのは捉えづらいもので、造り手の感覚にこそ裏付けられる美なのです。
「だとしたら、もうセンスでしかないじゃん…」
そう落胆する気持ちもわかりますが、この「言語化しうる法則に則る」と言う理論的な思考の癖から、あえて法則から外して考える癖に置き換えるだけ。
それだけで、理論を以て理論を制することが出来るようになります。つまりは、この「概念」(=名もない美を意識するぞ!)を大切にするだけで、感覚的なスキルを持ったアーティストになれると言うことですね。
だから、デザインの目的によっては、
敢えて左右対称の西洋的な美の感覚から離れてみる(シンメトリーは安定といった感覚を持たせたい時、例えばブライダルジュエリーなんかには適しているため、絶対的に避けるものではないのですが)、敢えてダイヤをランダムに粗密を意識した配置をしてみる
…など、非常に使えるテクニックです!
そんなデザイン思考で日々デザインをしております。掲載のデザイン画は Luminous Within の「フリージア」と言うお花をモチーフにしたエナメル・ジュエリーなのですが…少しだけご紹介♪
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ルリシジミの蝶が二羽、
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はらはらと舞いながら遊んでいて、
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その愛を讃歌するかのように、
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可憐で愛らしいフリージアの花が、
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ハートの形をつくっています。
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ダイヤの朝露が降りる朝、
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その愛を勇気に借りて
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もうひとり
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リボンを巻いた花束を手渡す人
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恋人たちが結ばれる
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このハートの形も、いわゆるハートのシンメトリーを外した、自然に近い自由な形になっています。自然というのは、和の意識が常に寄り添ってきた、天衣無縫の姿をしています。自然は自然なままにとどめる…これが大切にしてゆきたい心だと感じます。
恋人たちは、結ばれるがままに。
朝露のダイヤは、散らしたままに。
ひと昔前、はっとした言葉です。「花びらが自然に落ちたら、同じ方向、同じ位置に落ちることはなく、凄く無秩序に入り乱れるでしょう。それが粗密とか、ルールで語れない美意識だよ」…恣意的ではないデザインの極意をシンプルに語りかけてくる言葉です。
だから、思い返して、朝露のダイヤはもう少し「自然に自然のように散らそう」、それだけのことですが、デザインにこだわりたい細部が見えて参りました。
Luminous Within というブランドは歴史があさく、確かにデザイナー自身も成長途上。でも、「自然に自然のように」身につけてきた心象世界の、「名もない美」には誇りがあります。それには、日本的な美と世界との繋がりが、大きなキーファクターとなっています。
Luminous Within の一抹の感受性は、ロンドン発であったり、U.A.E発であったり、実は海外からもたらされたものなのです。デザイナーの私は、幼い頃から世界を巡りました。
様々な建築物、植物、人々の姿や、風土を心で見つめて、その経験から生まれるものは、本当に染むこむように、水を吸う植物のように透明に、感じてきた世界観です。それが、今、時の結晶としてジュエリーとしてある。
アール・ヌーヴォーの古き良き時代のジュエリーのようで、でも、和の慎ましやかさもある…そして、アラビアのジュエリーのようにどこか大胆。
だからこそ、世界を奏でたい。
この時の蒸留された、純粋に輝く世界を手にとって頂きたい。
世界の中で、日本人としての感受性を唄いたい。
<情緒>と言った感受性を発信していって、Luminous Within初期の作品が皆さまの宝物になるような、そんな未来で応えたい…そうやって、夢の向こうを見つめてしまいます。
名もない私ですが、小さな石ころを時の潮流に投じ、小さな波紋が永遠と続いて行くように、人の愛の心を揺らめかし、宝飾の美で満ちてゆきたい。
そのために、日々新しくなる当ブランドを、応援してください!それでは、またのブログでお会いしましょう!
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