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【読了】方丈貴恵「時空旅行者の砂時計」

方丈貴恵「時空旅行者の砂時計」
タイトルに惹かれて読んでみた本。


オカルト雑誌のライターをしていた主人公は、入院中の妻を見舞った帰り、非通知の電話に出てしまう。相手は「竜泉家の呪い」を解くなら手を貸すと言う。


時間旅行もさることながら、砂時計というのがまたなんとも心くすぐられますよね〜。

「呪い」の生じた過去に戻ってそこでおきた惨劇を解決する。
言葉にすると簡単そうにも思えるけれど、解決するためには少なくとも当事者としてその場にいなければいけないわけです。
警官でも事件の関係者でもない彼と、彼を胡散臭く思いながらも排除しようとしない関係者たちと。

閉ざされた山荘で起きる事件を覗き見ているつもりでいると、作者からの挑戦状が提示されます。
自分も推理してみるも良し、最後まで傍観者でいるも良し。

事件解決のその後もクスリと笑ってしまう一幕があり、シリアスになりきらないところも良かったです。

(20240217投稿文の再掲)
・第29回 鮎川哲也賞


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