
【読了】 冲方丁 「骨灰」
冲方丁「骨灰」
前に「ダ・ヴィンチ」で見て絶対読みたい!と思っていた本。
ホラーは夏に読みたい派だけど桜の下には〜という言葉もあるくらいだし、いま時分も案外悪くないのかも。
工務店のIR(投資家向け広報)で働く主人公は、事故を示唆するようなSNSの書き込みの真偽を確かめるために大規模開発の現場に向かう。写真の場所を探すうちに図面にはないはずの真四角の建物に辿り着き、少し開いた扉の先には更に深く、地下へと階段がのびていた。
「ダ・ヴィンチ」で粗筋は知っていたけど、やはりまとまった文章というのは圧が違う…!
地下へ降りていくときの嫌な感じが、熱気とともに纏わりつくようで、タイトルにもある骨灰の存在がまた不気味で恐ろしい。
ホラーというと背筋がゾッとするというように、冷やりとさせられるものをイメージしていたけど、これは真逆で、じっとりと絡みつくうだるような熱さが怖すぎました。
勘のいい人なら結構すぐにコレはおかしいぞ?と気がつける部分では私はまあまあ後になって「!?」ってなって、そこで更にヤバさがドン!とのせられたわけでございます。
うはぁ…そうくるのか…。
個人に関しては救いはあると思うのだけど、全体でみるといやいやまさかねフィクションだからね…と、自分に言い聞かせたくなる感じ。
読み応え十分でとても良かった。
(Twitter20230330投稿文の再掲)