
「年収の壁」って何?手取りが減る仕組みと考え方
こんにちは!今回は最近よく耳にする「年収の壁」について、考えてみます。
「壁」なんて言われると大げさに聞こえるかもしれませんが、実はこの壁、放っておくと働けば働くほど手取りが減っちゃう不思議な現象を引き起こすんです。
そんな馬鹿な!と思いますよね。では、その正体と最新ニュース、そして私たちが取るべき具体的な行動を見ていきましょう。
まず「年収の壁」とは何でしょうか?
一言でいうと扶養の範囲内で働ける年収の上限のことです。
日本にはいくつかの「壁」が存在し、例えば年収100万円の壁(住民税)、103万円の壁(所得税)、106万円と130万円の壁(社会保険)などが代表的です。これらの金額を超えると、それまで払わずに済んでいた税金や社会保険料の負担が発生し、せっかく収入が増えても手取り(可処分所得)が減ってしまうのです。特に影響が大きいのが社会保険料が発生する106万円・130万円の壁で、ここを超えると一気にお給料の目減り感を味わうことになります。
この「年収の壁」問題、実は長年議論されてきました。「年末が近づくとシフトを減らすパートさんが続出…」なんて話もあり、年末商戦時に人手不足になる原因とも言われてきたんです。働く側にとっては「これ以上稼ぐと損するなら、この辺でやめとこう…」となりますし、雇う側にとっても戦力が十分に確保できない困った状況でした。
そこで政府も重い腰を上げ、2023年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」という対策をスタートしました。ニュースで聞いた方もいるかもしれませんね。内容をかんたんに言うと、「年収の壁」を気にせず働けるよう、企業と労働者への支援策を講じるものです。
例えば、
「106万円の壁」対策として、社会保険に加入することで手取りが減らないよう工夫した企業に対し、一人あたり最大50万円の助成金を出す仕組みがあります。これにより、企業が従業員の賃金アップや手当支給で手取り減少を補填しやすくしています。
また、「130万円の壁」対策としては、繁忙期など一時的に収入が130万円を超えてしまっても、会社が「一時的な増収」であると証明すれば、その年は扶養から外れなくてもよい制度が導入されました。要するに、「たまたま残業が重なって年収オーバーしちゃった!」という場合でも、すぐに配偶者の扶養を外されないで済む可能性があるわけです。これはパートさんにとっても、急なシフト増に応じやすくなる嬉しい変更ですよね。
さらに最近のニュースでは、所得税が発生する年収の壁(103万円)を引き上げる動きも出ています。なんと2025年からこの壁が103万円→123万円に上がることが決定しました。将来的には178万円まで引き上げようという案も検討されているそうです。税制面でも壁が高くなれば、その分「稼ぎ損」になりにくくなるため、働く意欲をそがずに済みそうですね。
ニュースを踏まえて、で、どうすべきなのか?
では、この「年収の壁」にどう向き合い、何をすれば良いのでしょうか?ここからは対策を考えてみます。
・まず自分の状況を把握する
学生でも主婦でも会社員でも、自分(または家族)がどの「壁」に該当しそうか確認しましょう。年収見込みが壁ギリギリの場合、「壁を超えるとどうなるか」をシミュレーションしてみてください。収入が増えても手取りが減らないラインを知っておくことが第一歩です。
・壁を気にしすぎない
もし「これ以上働くと損だから…」とセーブしているなら、一度冷静に計算してみましょう。本当に損する額と、得られる経験・機会を比較してみてください。特に106万円や130万円付近で迷っている方は、政府の支援策のおかげで壁超えによる手取り減少が緩和される可能性があります。
・勤務先と相談してみる
自分の働き方について、勤務先と話し合うのも大事です。「扶養の範囲内でしか働けません」と黙ってシフトを減らすのではなく、「もっと働きたい意欲がある」ことを伝えましょう。その上で、会社が今回の支援策(手取りが減らないようにする工夫や証明制度)を活用できないか相談してみるのです。たとえば忙しい時期だけの収入増なら扶養内に留める証明が可能かどうかなど。
・「壁の向こう側」の世界を計画する
思い切って壁を超えてもっと稼ぎたい!という場合は、壁を大きく突き抜けるプランを立てましょう。中途半端に壁を少し超えると手取りが減って損した気分になりますが、壁のだいぶ上まで収入を上げれば、手取りも増えやすくなります。例えば130万円の壁で悩んでいるなら、一気に150万円以上を目指す、副業を組み合わせて180万円を狙う、正社員登用を目指す等です。「だったら扶養を外れて社会保険も自分で払うから、その分ガッツリ稼ぐ!」という前向きな戦略ですね。収入アップに向けてスキルを磨いたり、副業にチャレンジしたりする良いモチベーションにもなるでしょう。
・常に最新情報をチェックする
法律や制度は変わります。先述の通り、扶養範囲の年収基準も今後変わっていく見込みです
最後に:「年収の壁」は怖くない!
制度が少しずつ改善されつつある今、必要以上に壁を恐れてチャンスを逃すのはもったいないです。大事なのは正しく理解し、戦略を持って動くこと。短期的な損得勘定だけでなく長期的なメリットも考慮に入れ、自分にとってベストな働き方を選びましょう。壁の向こうには新たな収入と成長のチャンスが待っているかもしれません。