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NISHIWAKI
2018年9月26日 22:29
# 8 祭りの裏 那珂と五月雨が先に出てしばらく経った頃、川内たちも宿を後にして館山基地へと向かった。体験入隊のプログラムが残っているためだ。 川内たちが基地の敷地に入ると、やけに人や車が多いことに気づいた。「な~んかえらく人多くない?海自の人じゃないよね?」「パンフレットによりますと、体験入隊以外にも今日は一般開放されているみたいですよ。ヘリコプターとかに試乗できるそうです。……できる
2018年9月19日 21:58
# 7 観艦式:フリーパート 観艦式のメインプログラムがすべて終わった。那珂たちは先導艦霧島を先頭に単縦陣で並び直し、大きくOの字を描いて会場たる桟橋の数m先に並んだ。観艦式が始まる前とまったく同じ列を成した。「それでは続きまして……」 放送で次のプログラムの指示が発表された。いよいよ、フリーパートに移るのだ。予め決めておいたチームごとに分かれ、順番に演技をしていく。 演技をする以外
2018年9月12日 20:16
# 6 観艦式:メインプログラム 館山に来て二日目の朝。那珂は誰よりも早く起き、宿を飛び出して海沿いの歩道を散歩していた。薄手のピンク色のTシャツに下はクリーム色のハーフパンツというラフな格好で海岸を歩くその姿は、周りから見ても艦娘だとは気づかれない、ただの少女だ。 時計を見るとまだ5時40分。少々早く起きすぎた感もあるが、早朝の館山の築港では漁船側でなにか作業をしている漁師らしき姿がちらほ
2018年9月5日 20:10
# 5 神通たちの戦い「はい。……は? あの、提督。これで三戦目だったんだけど。私達艦娘は単なる移動でも蓄積すると地上移動するのより疲れるの、分かってるわよね? で、詳細は? ……えぇ。えぇ。神奈川第一の人たちが? はい、分かりました。さすがに次で終わりにしてほしいわ。うん、それじゃあね。」 神通は、通信を終えた五十鈴が振り向いたその瞬間、あることわざが思い浮かんだ。振り向いた五十鈴の顔が
2018年9月1日 21:24
# 4 たった二人の出撃 那珂たちが初日の訓練を終え、神通たちが長良型への指導の初日を終えたその翌日。場所は違えど、鎮守府Aのメンツは己に与えられた役割や立場を遂行していた。 神通は五十鈴と朝早く本館に集まり、この日の訓練の打ち合わせをしていた。自分たちの訓練当初の那珂と五十鈴の光景さながら、二人は真剣に内容を詰める。「名取は武器の説明からね。長良は昨日まで少し砲撃をさせてしまったから