さだまさし「精霊流し」
「浅黄色」という色があることを知ったのは、さだまさしの「精霊流し」を聞いたときでした。
皆さんはご存じでしょうか?。
浅黄色というのは、とても薄く緑が入った黄色のこと。
歌中では、主人公の女性が亡くした、恋人の母親の着物の色として出てきます。
「あさぎいろ」と読むのはもう一色有って「浅葱色」という色があります。
こちらのほうが有名ですね。
新撰組の裃の色だったりしますから。
こちらは青緑色に近い色合いです。
この「浅黄色」なのですが…ネット内では「浅葱色ではないか?」という意見が多いようです。
私の手持ちのトーク集に載っていた歌詞は「浅黄色」でした。
成る程確かに「浅葱色」の方が、色としては寒色であり、精霊流しという場には相応しいかも知れません。
しかし、よく歌詞を見てみると
「わずかの間に年老いて」というフレーズが続くのです。
詰まり浅黄色は「褪せた黄色」を意味するのではないか。
黄色はエネルギーの色です。
亡くなった主人公の恋人と、彼の母親は、長崎でジャズ喫茶を営まれていたようです。
(この辺りの話は「椎の実のママへ:さだまさし」に詳しいので、一度拝聴をお勧めします)
親子で営むお店は、母親にとり、どれだけ幸せな時間だったでしょうか?。
そこに突然の悲劇。
太陽が暗くなっていくかのように、彼女のエネルギーが消え、薄くなっていく…浅黄色は、そういった色ではないかと思うのです。
事故死という突然の最後であり、重くなりがちなテーマを美しく華やかな曲に出来たのは、さださんの才であると同時に、彼の中にある「長崎」という場所の大きさあってのものだと思わされます。