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脳内が多動すぎる私たちへ

現在地をいつも見失っています

頭の中がガチャガチャ、ゴチャゴチャ。
「あれ?今から何をするんだっけ?」
「何から始めればいいんだっけ?」と立ち止まってしまう。
そんなこと、ありませんか?
ありますよね?

もし「そんな経験ないよ」って人がいたら、すごいな、うらやましいなって思います。
合理的で、目標に向かって一直線で、無駄がない。
そんな生き方、きっとカッコイイし、経済的だし、憧れる。

いつの間にか今日が終わり、今年が終わる

もう1日が終わる

私は合理的でも効率的でもないんです。
強いあこがれはありますが・・・。

やらなきゃいけないことが頭にいっぱい浮かぶのに、いつの間にか別のことに意識がふっと飛んでいってしまう。
そして、時計を見たら…ああ、時間だけが過ぎていく。
「また今日も何もできなかった」って、ため息をつくばかり。
それが1日、1月、1年と折り重なって一生になったら嫌だな。

「どうして私はこんなに不器用なんだろう」って、自分を責めたくなる。
何度もそう思ってきたけれど、自分を責めても何のプラスもマイナスもない。

もう少し、変化が欲しい。
もしも、この乱雑な頭の仕組みをちょっとだけ知ってみたら、どうだろう?仕組みを知ったら、自分と仲良くなれるかな?
少しは自分が自分の味方になれるようになりたい。

解決ではなく小さな気づきのために

この記事には、「解決」という視点は入れていません。

生きにくさを抱える人に対して、解決っていうのも、ちょっと変ですよね。

自分のマイナス(特性)を知り、それを受け入れ、少しずつ自分なりの生き方って何だろうっていう問いを持つ。

別に見つける必要はないですよね。
私は、旅行は目的地よりも移動が好きなんです。
そんな視点を共有するために書かれています。

そもそも多動症とは何か?

多動とは注意欠陥多動性障害の一つ

注意欠陥多動性障害とはADHDと言われる発達障害で
ADHDは「Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder」の略です。
この障害は発達障害の一つで、以下の三つの特徴が見られます。

  • 不注意(Attention-Deficit):集中力が続かず、重要な用事を忘れたり、物事を順序立てるのが苦手。

  • 多動性(Hyperactivity):じっとしていられず、常に動き回りたくなる。

  • 衝動性(Impulsivity):思いついたことをすぐに行動に移してしまい、後で後悔することが多い。

ADHDは幼少期に見られることが多いですが、大人になっても症状が続く場合があります。
診断されないまま、自覚しないまま社会生活の中で苦労し、自分を責めてしまうケースも少なくありませんし、診断されたからと言って生きにくさが変わるわけでもないです。

私自身の経験:ADHDの診断を受けるまで

私は小学校の時から遅刻が多い人間でした。

朝早く起きても、なぜか5分程度は必ず遅れてしまうんです。
学校の先生に怒られても、治らないんですよね。
自分でも遅刻癖を治したいと思って工夫するんですが、数か月したら遅刻を繰り返すようになる。
「もっとしっかりしなきゃ」と何度も努力しましたが、結局大人になっても改善することはありませんでした。

その状況に耐えられなくなり、私は大人になってから心療内科を訪れることにしました。

そして、診断の結果、「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の不注意傾向が強いタイプと判断してもらいました。ありがとうございます。

先生からは、「薬を飲む必要はないけれど、工夫をしながら生きていくことが大切」とアドバイスを受け、自分ではない誰かから専門的な視点で自分の説明書をもらえたので、嬉しいような安心するような、そんな肩の力が抜けた感覚がありました。


なぜADHDは起こるのか?その原因は?

ADHDの原因については完全には解明されていませんが、主に以下の要因が関係しているとされています。

1. 脳の機能的な偏り

ADHDの人は、脳の前頭前野(思考や判断を司る部分)の働きに特徴が見られます。
この部分の機能が弱いと、注意力の維持や行動の抑制が難しくなり、不注意や多動性が現れます。

2. 神経伝達物質の不足

ノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質の量が不足していることが原因の一つと考えられています。
これらは注意力や行動の抑制をコントロールする役割を持っていますが、その働きが弱いと、注意散漫や衝動的な行動が起こりやすくなります。

3. 遺伝的要因

ADHDは遺伝的要素が強く、家族内で同じ特性が見られるケースが多いです。
ADHDを持つ親の子どもは、同じ特性を持つ可能性が高いとされています。


ADHDの特徴と生きにくさ

ADHDを持つ人は、その特徴によって日常生活で「生きにくさ」を感じることが少なくありません。以下に具体例を挙げます。

1. 仕事や学業での困難

計画を立てて物事を進めるのが苦手で、複数のタスクを同時に処理する場面では特に混乱しやすいです。

締め切りを守れなかったり、ケアレスミスが頻発したりすることが、仕事や学業の評価に影響を及ぼすことがあります。

2. 人間関係での摩擦

衝動的な発言や行動が原因で、相手に誤解を与えたり、無意識に相手を傷つけてしまうことがあります。

特に対話の中で相手の話を遮ってしまうことが多く、コミュニケーションでの摩擦が生じやすいです。

3. 日常生活での混乱

忘れ物や失くし物が多く、重要な約束をうっかり忘れてしまうことがあります。

また、片付けが苦手で部屋が散らかりやすいことも特徴です。こうした問題が「だらしない」という印象を与え、自己否定につながることもあります。


ADHDを持つ有名人たち

トーマス・エジソン

かなり特殊な例だと思いますが、ADHDを持ちながら、その特性を活かして成功を収めた有名人もいます。

  • トーマス・エジソン:発明王として知られるエジソンは、ADHD特有の独創性とエネルギーで数々の発明を生み出しました。

  • スティーブ・ジョブズ:Apple社の創業者。彼の革新的な発想と情熱は、ADHDの特性を背景にしたものと言われています。

  • マイケル・フェルプス:オリンピック金メダリストの水泳選手。彼の集中力とエネルギーが世界記録を次々と塗り替えました。

  • リチャード・ブランソン:ヴァージン・グループ創業者。冒険心と行動力で数多くのビジネスを成功に導きました。


自分を知り、特性を活かす

ADHDを持ちながらも成功を収めた人たち――彼らに共通しているのは、「自分を知り、その特性を活かす」という姿勢です。
ADHD特有の特徴が、彼らの成功の原動力となった背景には、いくつかの共通点が見られます。


1. 自分を知ることの重要性

成功の鍵は、まず自分自身を深く理解することにあります。
彼らは自分の特性を「障害」として捉えるのではなく、「独自の能力」として受け入れました。そして、自分の特性を活かせる分野を見つけることで、才能を最大限に引き出しました。

たとえば、ADHD特有の注意散漫さや衝動性を、アイデア創出や大胆な行動に変える視点を持ち、自分の強みとして磨き上げています。


2. ADHD特性を活かす成功要因

ADHDがもたらす特性を、武器に変える

  • 創造性と柔軟性
    ADHD特有の発想力と柔軟な思考は、新しいアイデアを生み出す原動力となります。スティーブ・ジョブズは、この特性を活かして革新的な製品デザインを世に送り出しました。

  • 行動力とエネルギー
    ADHDの人々が持つ行動力とエネルギーは、時に逆境を乗り越える力となります。リチャード・ブランソンは、この特性を活かして数々の新規事業に挑戦し、成功を収めました。

  • 集中力の波を活用
    ADHDの特性である過集中(Hyperfocus)を、興味のある分野で最大限に発揮しました。マイケル・フェルプスは、競技への没頭が金メダルという結果に結びつきました。

  • 失敗を恐れない姿勢
    ADHDの人は試行錯誤を恐れず、新しい道を模索する傾向があります。トーマス・エジソンは、「失敗は成功へのプロセス」と捉え、何度も挑戦を重ねて発明を生み出しました。


3. 適切な環境づくり

彼らはまた、自分の特性を活かすための環境づくりにも力を注ぎました。
これは本当に大切な部分ですね。

  • 自由な発想ができる仕事や分野を選ぶ。

  • 家族や同僚、チームからのサポートを得て、苦手な部分を補う。

  • 制限の少ない柔軟な環境に身を置き、発想力や行動力を発揮できるようにした。


4. 自分を知ることが成功の第一歩

彼らに共通しているのは、自己理解を深め、それを軸に自分らしい生き方を選んだ点です。

ADHDの特性が時に障害として立ちはだかることを認めつつ、それを逆転させる行動を選択しました。
自己分析を通じて、自分の特性に合った成功モデルを築き上げたのです。

ADHDは「障害」から「才能」へ

「自分を知り、その特性を受け入れること」が、成功への第一歩です。
彼らのように、特性を活かせる分野や環境を見つけることで、ADHDは単なる障害ではなく、「才能」へと変わります。
自分を正しく理解し、信じて進むこと――それが成功の鍵となるのです。

こんな自分と、どう生きていくか?

「こんな自分はダメだ」と責めるのではなく、「こんな自分だからこそできること」に目を向けてみる。
それは簡単なことではありませんが、少しずつ意識を変えるだけでも、生きやすさを見つけられる可能性があります。

例えば、特性を活かして自分に合う環境を選んだり、周囲のサポートを得ることも大切です。
自分を否定するのではなく、自分なりのペースで進んでいく。その過程で得られる気づきが、未来を変えるきっかけになるかもしれません。

前向きにあきらめる

生きにくさを抱えながらも、少しずつ自分の特性を理解し、その特性と共に生きていく道を見つけること。
この記事を通じて、そんな一歩を踏み出すヒントが伝わっていれば嬉しいです。

生きにくさ時に壁となり、私たちを立ち止まらせるかもしれません。
でも、それは「自分の使い方を学ぶ機会」だと思うのです。
特性を知り、それを活かす方法を探す過程そのものが、あなたの人生をより豊かなものにしてくれるはずです。

やめたほうがいいのは、完璧を目指すことです。
これは目指しても特にいいことはない気がします。
「完璧主義」は、もしかしたら日本人特有の価値観なのかもしれませんね。
職人の国でもあるので、しょうがないですけど。
完璧にほど遠い人間が完璧を目指してもね。変ですよね。

最後に

あなた自身があなたの最良の味方であることを忘れないでください。どんな特性も、あなたらしい人生を形作る大切な一部です。そして、その特性を受け入れた先に、新しい可能性がきっと待っています。

落ち着きたいときの詩

ポケットに、名言をいくつか入れておこう。
悲しい時、そっと引っ張り出してみる。
「大丈夫。」
「きっとなんとかなる。」
使い古された言葉たちは、
ポケットの中で新品に戻る。

大切なものを数えてみたら、
手のひらに乗るくらいしかなかった。
けれど、なくしてしまったものたちが
ふと振り返ると、光っていたんだ。
悲しくないかと問われれば、悲しい。
それでも、それでいい。
きっと、それでいい。

大事なことなんて、あとまわしでいい。
どうせ、大事なものは、
あとからついてくるものだから。
だから今日も、肩の力を抜いて、
ついでに生きてみよう。
ポケットの中の光を抱えて。

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