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刺繍とビーズ、そして愛しのプラナカン磁器。ペナン プラナカン マンション(Pinang Peranakan Mansion) vol.2 / マレーシア・ペナン島③

こんにちは。
前回の続きです。さ、緑の壁の向こうに足を運びます。
(記事「プラナカン・チャイニーズの世界へ。ペナン プラナカン マンション(Pinang Peranakan Mansion) / マレーシア・ペナン島②」)

あああ〜プラナカン・チャイニーズの刺繍とビーズの世界が広がっていました。

プラナカン・チャイニーズとは、15世紀以来ペナンやマラッカ、シンガポールで交易に従事した中国人とマレー人との子孫のこと。男性をババ、女性をニョニャと呼ぶ。

Nyonya Kasut Manekと呼ばれるビーズ刺繍の靴。

欧州からもたらされた直径0.5mm程の細かいガラスビーズを、刺繍針でベルベットなどの布に縫い付けていくことで完成するビーズスリッパ。とても繊細なので結婚式などの特別な機会に大切に履かれ、保管されてきたといいます。

女性が厳格に家庭に留められていた時代、彼女たちの時間の多くは家事や、こういった刺繍などの手仕事に費やされていました。

どんな想いを馳せながら手を動かしたんだろう。

細かなガラスビーズで仕上げられた繊細なスリッパはとても貴重。
現在お店で売られているビーズスリッパの値段は、ビーズのサイズで異なります。つまり緻密な柄が表現され、多くの時間を費やして完成する小さなビーズを使用した靴ほど高価。
いやもう、自分で刺繍したくなってきた。

みっきー

靴…で思い出した。そうか、ここペナンはジミー・チュウ(Jimmy Choo)の出身地でもあるのよね!

靴職人の父親のもと11歳の時に靴作りをはじめ、1996年にVOGUE UKの編集長であったタマラ・メロンと共同でブランドを設立したジミー・チュウ。が、職人気質の彼はタマラと方向性が合わず、2001年にブランドを去ります。ダイアナ妃が彼の靴を愛用していたのは有名。
その後、彼は自身の美学を貫き、ロンドンにJimmy Choo Academyを開き、経験の全てをファッションビジネスを目指す者たちに伝えています。

彼の中国名は周仰杰(Zhou Yang Jie)。ファミリーネームがChooとなっていますが、実はChowなんだそう。出生証明書のスペルミスなんですって。

ジミー・チュウが靴作りを学んだとされているKedai Kasut(香港靴店)の近くに設置されている彼をイメージしたワイヤーアート。ですが、どうもこのエピソードは間違って伝わっているようです。実際は香港靴店で学んでないとか。

バッグも麗し。

うまかわいい。

刺繍の重なりが美しかった!ニョニャの婚礼衣装。

ここ「ペナン プラナカン マンション」には、ジュエリーや身の回りの細かい道具などが展示されている部屋があります。

ニヤいゾウさんが横たわる噴水を抜けた先に。

わぁぁぁぁ〜アンティークやヴィンテージの陶磁器!が所狭しと陳列されていました。

白い棚の中には当時の貴重なプラナカン磁器。これに会いにきた。

「プラナカン磁器(Straits Chinese porcelain)」とは、マラッカに最初に定住したプラナカン・チャイニーズのコミュニティ専用に、中国の清徳鎮の磁器窯に特別に発注された磁器のこと。

昔、シンガポールでプラナカンの世界に触れてから魅せられているプラナカン磁器。

ローズピンク、レモンイエロー、ペールグリーン。絵付における色彩のグラデーションを可能にしたファミーユローズパレットを備えたプラナカン磁器。
その特徴は、鳳凰と牡丹というテーマが繰り返し描かれていること。龍は登場しません。

めちゃくちゃ凝視していたらスタッフの方が色々と教えてくれた。
「この白い棚の中のものは非売品。100年以上前のものが完璧に揃っている貴重なものだからね。」

非売品の棚は垂涎の的。

プラナカン磁器を大きく分けると3つ。
*100年以上前のアンティーク
*50年〜60年前、戦後のヴィンテージ
*現在の量産されたもの(手描きも機械もあり)
ここではこの3つ全てが見られ、また販売されているものもあります。

「アンティークだけど、欠けがあるから少し安くしてるよ」と見せてくれた一枚。
色がきちんと留められていて、だれていない。パキッとクリアで繊細。これが100年以上前のアンティークと呼ばれているものの印象。

「ここで安易にカメラなど取り出せない、自分の目だけで愉しもう」と感じさせてくれた崇高なギャラリーからお土産屋さん、店主もヴィンテージなホコリまみれの店まで〜色々と手に取って探ってきたけど…
まずは本物を見て、そして最終的には量産でもマシーンメイドでも自分が気に入ったものを選ぶのが嬉しい。市場の価値判断に捉われずに。

なので、1階にあるショップに行く前に、2階にある磁器の部屋をまず愛でて。

トップに狛犬(lion dogsって言ってた)が鎮座しているのもプラナカン磁器の特徴なんですって。

カワイイワンコだけどね。

クリスタルのコレクションも麗しかった。

先程のアンティークショップの奥には、当時の装飾品が展示され、その先にはお土産屋さんが待ち構えています。

伝統的なクバヤと呼ばれる衣装。

濃い空間から外に出るとお向かいには可愛らしいカフェ Nyonya Palazzo。

美しいをありがとう。

ペナン プラナカン マンション(Pinang Peranakan Mansion)
住所:29, Church St, Georgetown, 10200 George Town, Penang
開館時間:9:30~17:00
入場料:RM25









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