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Academy Museum of Motion Pictures (アカデミー映画博物館)/ ロサンゼルス・カリフォルニア vol.12

こんにちは。
今回は、2021年9月にオープンした Academy Museum of Motion Pictures(アカデミー映画博物館)へ。

LAには、ワーナーやパラマウント、ソニー・ピクチャーズのスタジオツアーはあるんですが、この博物館ができるまで本格的な映画博物館はありませんでした。

『ダ・ヴィンチ・コード』のクリプテックス

『メン・イン・ブラック』のライセンス。Work Visa カワイイ!

↑は、ソニー・ピクチャーズのスタジオツアーで見られます。

さて、LACMA (ロサンゼルス・カウンティ美術館)の隣に位置するこの博物館は、Renzo Piano(レンゾ ・ピアノ)デザイン。
ハリウッドの街並みと星たちをみるために作られた球体の下半分は、1,000シートを有するシアターになっています。

Photo: Nic Lehoux

レンゾ ・ピアノといえば銀座メゾンエルメスが思い浮かびますねー

Ginza Maison Hermès

建物(Saban Building)と球体はガラスの橋で繋がっていて、

橋を通り抜けると

ハリウッドヒルズが一望できる屋上テラスに出られます。

母船の着陸を想像させる球体の下。

きっとタイミングが来たら飛ぶんだろうなー反重力で一気に。

ここでは、様々な展示物を通し映画製作の歴史をみていくことができます。

第55回アカデミー賞で、作曲賞、視覚効果賞、音響賞、音響編集賞の4部門を受賞した『E.T.』や、 『Star Wars』のトロフィーが展示され、

“Art of Moviemaking” のギャラリーでは『ゴッドファーザー』に焦点が当てられていました。

パラマウント〜

2階分の高さで展示されてたアルフレッド・ヒッチコック監督の『North by Northwest(邦題:北北西に進路を取れ)のラッシュモア山の背景。

このような彫刻が、北米先住民族であるラコタ族(Lakota)、シャイアン族(Cheyenne)、そしてアラパホ族(Arapaho)の聖地であったラッシュモア山を汚してしまったという事実、そしてそのような土地で撮影が行われた、という認識をテキストで展示してありました。

「North by Northwest」って存在しない方位。
16方位で方角を示した場合、北北西はNorth Northwest と表記されます。32方位で表した場合、byの後につくのは東西南北の4方位のみ。
この奇妙なタイトルを巡って色々な説がありますが(ノースウエスト航空を使用して北へ行く、とかハムレットのセリフに由来している、とか)、私には現実とは違う世界へ向かう、というイメージが湧いてきます。どーであってもこーであっても私はこのタイトル好き。

興味深かったのは、Richard Balzer Collection。
40年以上に渡り、マジックランタン(幻燈)やプラキシノスコープ(回転のぞき絵)などの映画以前の光学玩具を収集してきたリチャード・バルザー (1944–2017)。このコレクションは氏の夫人である Patricia S. Bellingerさんによってこの博物館に寄贈されました。

妖しくて美しくて素敵。

Patricia Bellinger said, “Gifting this collection to the Academy is a once-in-a-generation opportunity. My husband Dick’s passion for collecting pre-cinematic objects was profound, but it was his passion for teaching, storytelling, and wonderment that brought him and the collection to life. With these objects permanently in the Academy Museum and Margaret Herrick Library collections, Dick’s dedication to sharing pre-cinema’s legacy and historical memory with the public will live on in perpetuity.”  

獣脚カワイイ。

そしてみんなに会えるセクション!

Anthony DanielsのC-3PO。

Cousume worn by Anthony Daniels as C-3PO   Design: Ralph McQuarrie  Fabrication: Liz Moore

R2-D2も。

Costume worn by Kenny Baker as R2-D2  Design: Ralph McQuarrie  Fabrication:Tony Dyson

『The Shape of Water』の両棲人間。1961年のソ連の映画『Amphibian Man』がモチーフとなっているそう。

リアルで気持ち悪くてイイ。

石岡瑛子さんの生み出すコスチュームは、崇高さと邪悪さの混ざり具合がとてつもなく美しい!

Costume worn by Gary Oldman as Dracula  Costume design : Eiko Ishioka

エスカレーターのスペースには、ジョーズ。
実際に撮影で使用されたラテックスとゴム製のサメは腐ってしまったそうで。現在この空間を泳いでいるジョーズは、オリジナルの型から鋳造され、75年にユニバーサルスタジオに送られて以来倉庫で眠っていたものが息を吹き返したそうな。

はろー

ミュージアムショップで、

やっぱりジョン・ウィリアムズよねー

うー

あっ、カオナシ チェアー。

夕暮れ時までゆっくり過ごし、

オスカーなエレベーター

LACMAの方へ

艾 未未(Ai Weiwei)による「Circle of Animals / Zodiac Heads」。

なんかちょっと…怖かった。
建築中の建物の直線はキレイだった、けど。

Chris Burdenによって2008年に設置されたパブリックアート「Urban Light」。この街灯は1920年代〜1930年代にかけてハリウッド、グレンデール、アナハイムなどロサンゼルスの近郊の街を実際に照らしていたもので、よく見ると少しづつデザインが違います。

既存のもののコーティングが剥がされていく昨今。破壊と再生が同時に起こる世界をどう捉えるのか。自分の意識が創り出した世界を体験することによって自らが進化成長するという仕組み。きっと善も悪もなく、すべてはその役割を果たしてくれているだけ。
そんなことを考えたながら観た映画の博物館でした。

Academy Museum of Motion Pictures
6067 Wilshire Blvd, Los Angeles, CA 90036

続く。


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