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虫たちが戯れる東 信さんの植物図鑑 / 銀座メゾンエルメス ウィンドウ「植物の謎」 The Botanic Enigma

こんにちは。
冬の銀座メゾンエルメスのウィンドウが、生命力あふれる植物図鑑になりました。

久しぶりの東 信さんのウィンドウ。
植物たちで彩ってくださった2012年のホリデーシーズン以来。

銀座メゾンエルメス ウィンドウディスプレイ「時の庭」 Jardin du Temps (Garden of Time)
2012.11.14(水)~2013.1.22(火)

2023年のエルメスのテーマは「驚きの発見」。
植物が巨大化したのか、自分が小さくなったのか〜植物たちの細部を覗き込める世界が広がります。

球根の向こうに芋虫ちゃん。

蝶に

蜘蛛

カタツムリ。
私たちの見えないところで、土の中で静に息づく生命の驚異。

根っこのクルクル曲線がイイ。

蜻蛉ちゃん?

昆虫といえば、2019年も生き生きとしたウィンドウでしたね。
(記事「昆虫たちの囁きを聞きに行こう!銀座メゾンエルメスのウィンドウ 「Bug Nets」」)

あっ、アリス・チャービンのガブリオルの帽子被ってる!

アリスの描くbebeと馬のイラストが愛らしすぎて。

The "Cabriole" designed by Alice Charbin

影もキレイ。

そして植物の不思議を分析するラボも併設されています。

東さんのスタジオを思い出させるステンレスの什器。

植物たちが嬉しそうに輝いていました。

お水はこまめに替えてもらってるそう。気持ちいいねー

ディスプレイされているオードトワレは「庭」シリーズ。ちゃんとjardin (庭)ね。

サイドの小窓にも植物たちが生息しています。

ウィンドウはブランドの顔。どんな意識で物を売っているのか、どんな想いが物に乗ってるのか。
言葉を介さず視覚に訴えるウィンドウ ディスプレイはより直感的にそれが分かる。

エルメスのアーティスティック・ディレクターであるピエール=アレクシィ・デュマの言葉が浮かびました。

エルメスの季刊誌「Le Monde d’Hermès」2023年秋冬号

エルメスの眼差しには、「世界は美しい」ことを前提にした、ある種の純粋さがあるのです。しかし、この純粋さは決して「世間知らず」ということではありません。それはある種の信頼であり、信仰ともいうような純粋な視点で世界を見つめるということに起因しています。実体の本質はありふれたものではなく、眼差しがもたらす驚きによってその世界を探求できるのです。
エルメスの眼差しは、世間知らずなのではなく、無邪気なのです。

「Le Monde d’Hermès」2023年秋冬号
無邪気って「邪気」がないことなのよねー

そしてエルメスはどこを切り取っても馬の気配が漂います。

頭絡が美しい点で表現されてる。

馬はとても純粋な生き物。自分の背に乗る人の気分を鋭く感じ取ります。

翌日の数学の試験を前に不安を感じていた乗り手の気分を敏感に感じ取った馬。普段温厚な馬がその日だけは苛立っていた、というお話もありました。

私を背中に乗せてくれたあの大きな動物は、私の心と身体が抱えていた苛立ちを、厚いレザーの鞍と、長靴(ちょうか)ごしだというのに、どうやって感じ取ることができたのだろう。

私は人間のもつ尊大さから、その信号を馬の気まぐれのせいにしてしまった。ボビー(馬の名)は私の「精神分析医」であり、私の分身でもあったのに、私はといえば、彼の「共感」という感動的で不思議な能力をまったくわからずにいた。私は今になってそのことをようやく理解したのだ。

ジュリエット・ノートン

「Le Monde d’Hermès」2023年秋冬号

純粋で無邪気。
素直に美しいと感じられる「嬉しさ」が溢れています。

あー素敵!って嬉しくなる。それだけでいいよね。

あっ、花火師が降りてきたー

設置作業中でした。

レンゾ・ピアノ設計のメゾンエルメス。このガラスの断面を見るのが好きなのよね。

ウィンドウディスプレイは夢の具現化。
ブランドの見ている夢がドロリと外側に流れ出す様に惹かれます。

カレを着てるのが愛らしいし、腹脚の留めがいちいちブレスレット!

街が華やいでくる季節、メゾンから流れ出した夢を見に是非。

GINZA MAISON HERMÈS  Window Display 
「植物の謎」 The Botanic Enigma ー 東 信 Azuma Makoto
2023.12.14(木)~2024.2.13(火)

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