「ミス ディオール展覧会ーある女性の物語」Miss Dior Exhibition Stories of a Miss
こんにちは。
六本木ミュージアムで開催されている「ミス ディオール展覧会ーある女性の物語」に行って参りました。
兄(クリスチャン・ディオール)と共に草花を愛したカトリーヌ・ディオール。会場へのアプローチが色とりどりの草花で満たされていました。
新ミス ディオール パルファンの誕生を記念し、世界中を巡ってきた「ミス ディオール展覧会」。
ブランド創設と同じ1947年、クリスチャン・ディオールが妹カトリーヌの「存在」を香りで体現したのがミス ディオール パルファン。
ミス ディオールの名は、クリスチャン・ディオールの人生で最も大切な、最愛の妹カトリーヌへ敬意を表したもの。
美しかったのがボックスもですが、壁の刺繍!
この展示は副題にあるように「ある女性の物語」、もうひとりのディオール、カトリーヌの物語なのです。
カトリーヌは、第二次世界大戦中レジスタンスに加担し、ドイツの強制収容所に送られます。
カトリーヌ・ディオール所有の黒い麦藁帽子。その下にはクリスチャンの自伝。そこにはこう記してありました。
カトリーヌがレジスタンスに参加したのは24歳の時。愛した人(エルベ・デ・シャボネリエ)がこの組織の一員だったから。
この写真の前に立った時、意図せず涙が流れた。書いてる今も溢れてくるものがある。
第二次世界大戦中、カトリーヌがF2レジスタンス軍との連絡用として諜報報告書を作成するために使用したのが、エルメスのベビータイプライター。
ドイツ占領下のパリ、ドレスの顧客はドイツ軍という状況下、兄クリスチャンは、静かに美を生み出す仕事に従事します。
戦後、カトリーヌはフレンチモードを守り続けた兄とパリで再会します。
千鳥格子模様の刻銘テンプレート 1948年。
バカラ社製ホワイトクリスタル ボトル用 三面鏡式ミス ディオール ディスプレイ 1949年。
クリスチャン・ディオールと友人の芸術家ヴィクトール・グランピエール。改装中のモンテーニュ30番地のブティックにて。
イエローシルクのパゴダに収められたクリスチャン・ディオールの愛犬ボビーを象った限定エディション "J'appartiens à Miss Dior(ご主人様はミス ディオール)" 1952年。
ヴィクトール・グランピエールによる扇子を配したミス ディオールの展示スタンド 1960年頃。
死と隣り合わせの収容所を生き延びたカトリーヌは、1945年5月に解放されパリに戻り、花を卸す仕事を始めます。
その存在は香りと共にドレスでも体現されています。
1949年にムッシュ ディオールがカトリーヌへの賛辞を込めて作ったドレス「ミス ディオール」。
以来、このドレスはクリスチャン・ディオールの理念を継ぎ、クチュールメゾンを率いた歴代クリエイティブ ディレクターたちのインスピレーションの源となっています。
ラフ・シモンズによる2012年秋冬クチュールコレクション。
時を経てマリア・グラツィア・キウリが制作した「ミス ディオール」。
世界限定100個のクチュール エディションのボトルには、396本もの糸で草花が刺繍されたフォール社製のリボンが。
このリボンは、マリア・グラツィアのドレス「ミス ディオール」を再現したもの。
2023年のオートクチュール ハイジュエリーにおけるマリア・グラツィア・キウリのイブニングドレス 《Les jardins de la Couture》。
自然を愛し、美しいものに対する情熱を持ち続けた人たち。
どんな状況下でも自分を見失わず、愛するものを手放さなかったクリスチャンとカトリーヌ。
死の直前まで庭園の草花を愛し育て、カトリーヌが90歳で他界するまで共に歩んだ人生のパートナー エルベ・デ・シャボネリエ。
この香水のキーワードは“Wake up”。
自分以外の者に惑わされないで生きなさい。そんな声がきこえてきました。
固定概念に、既存のものに絡みとられずに、自分に従って生きる。
「ミス ディオール」は、情熱を内に秘めた勇敢な女性たちの香り。
【開催期間】2024年6月16日(日) - 7月15日(月・祝)
【開館時間】10:00-21:00(最終入場20:00)
【会場】六本木ミュージアム(東京都港区六本木5-6-20)
事前予約制・⼊場無料