曇り硝子の眼鏡(キナリ読書フェス/『世界は贈与でできている』読書感想文)
わたしはとにかく甘えることが下手くそだ。
トラブルに見舞われても、一声『ひとりでは抱えきれないので相談させてください』と言えない性分だ。
問題なく物事が進んでいるときはいいとして、不測の事態にはめっぽう弱い。
結果を出せないのは自分が至らないせいだという強迫観念に急かされて、仕事に支障をきたしたこともたびたびあった。
だから気負いなく他者に甘えている人を見て、とんでもなく羨ましかった。僻みすら通り越して、いいなあと思うことが何度もあったのだ。
昔から自分の真ん中に『しっか