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子宮がんのこと ④手術当日から術後

手術前日。病院に着いたら倒れるようにベッドで眠ってしまう。エレベーターに乗ったら酔ってしまう。思えば元々体調が悪かったのだと思う。 翌日朝、異様に明るいステンレスだらけの手術室に入り、手の甲に打たれた麻酔の注射がものすごく痛くて、本当にこんなで麻酔状態になるんだろうか、手術中に意識と感覚だけ戻って体だけ動かないとかなったらまじ恐怖、など思っているうちにどーんと重いあの感じがきて、意識が戻ったときは先生たちが談笑しており、私が目が覚めたのに気づくと言った。 「るるこさん、無事終

    • 子宮がんのこと③ 円錐切除手術

      聞けば、母の友達のお嬢さんがやはり同じように検査で引っかかって、経過観察しているうちにがんが出来て、そうこうしているうちに肺に転移して亡くなった方がいたんだそうだ。 「言うと怖がると思って言わなかったけど」とのことで、なんでもぺらぺらしゃべってしまう母なのに、そんな気遣いしてくれていたんだなあとしみじみしてしまう。 日を改めて医者に、手術したいというと伝えると明らかに腑に落ちないふうではあったが、最後はかなり呆れたように「じゃあ手術しますかあ…」と折れた。 手術の方法は数種

      • 子宮がんのこと② 7年ぶりの定期検診

        そもそも子宮がん検診をずっと受けておらず、自分に何かあるとしたら婦人科系だろうというなんとなくの予想はあって、受診していないことがずっとうっすら気になっていた。 このタイミングで受けたのには理由がある。ひとつは、父が突然倒れて入院し、その後諸々悪いところが見つかってあれよあれよという間に重病になってしまったのを見たこと。もうひとつは経済的な理由で、その半年前くらいにとんでもなく実入の良い仕事が舞い込んできて、何かあったとしても病院で治療を受けられるくらいの余裕(?普通?)がで

        • 子宮がんのこと① 告知

          癌(よく見ると漢字が怖い)なんて、自分に無関係だと思っていたし、誰だって宣告されるまではそう思っていると思う。 でも、がん(怖いからひらがなで書きます)だと言われたとき、びっくりしている自分と並行してもう一人の自分が、その理由をはっきり理解していた。 無茶な仕事やそこで投げかけられる辛い言葉や、恋愛とも言えないような痛い関係の中で自分を押し殺して傷ついても、何も言い返せずただただ飲み込んで何もなかったように振る舞うのが自分だった。でも、結局飲み込んだそのイガイガは体のどこの

        子宮がんのこと ④手術当日から術後

          こういうのをどMというのか?

          自己紹介して、と言われるのが一番苦手、という 好きなものも得意なことも本当に何もない自分でした。 唯一の取り柄は性格が優しいこと(笑) でも、優しい性格って損ばかりで、みっともないことのように感じていました。 恋愛も、好きな人に無理して合わせて辛くなった経験から、合わせてくれそうな人を選んで当然大失敗し、離婚経験もあります。 仕事も、認めてもらいたくて必死で取り組んで、好きでもない/辛い/給料も大して良くない(笑)仕事に、とにかく必死になっちゃう。ちょっとでも誰かに頼りにさ

          こういうのをどMというのか?

          キャサリン妃のこと、自分とがんのこと。

          キャサリン妃ががんというニュースは、衝撃でしたね。 私も3年前に子宮がんと言われて、言われたときはそれはもう天地がひっくり返るとはまさにこのことと思いました。 手術で取り出した細胞からがんが見つかりました、と言われたときの、診察室の蛍光灯の変わらぬ明るさ。周りで立ち働いている看護師さんは、なんでこんなに普通に立ち働いているのだろう。癌と言われる前と後、その一瞬を挟んで人生がまるっきり変わったように感じたし、呆然として会計するの忘れて帰ったし、病院を出たとき、景色は何ひとつ変わ

          キャサリン妃のこと、自分とがんのこと。