見出し画像

「さんすうセット」もう1丁


「さんすうセットは、おはじきでも数え棒でも、ちょっとした隙間時間に使ってたくさん遊ばせればいいのよ。」
と、これまでベテランの先生方に言われてきました。

たしかに、20年くらい前は、それができました。
でも、最近は、できません。

なぜか。

1)1年生に「隙間時間」がない。
昔とくらべて、やんなくちゃいけないことが多すぎて、さんすうセットで遊んでいるひまがない。GIGA端末(タブレットPC)にパスワードを入力するだけで、1年生はものすごい時間がかかる。

2)児童の学力が下がったため基礎基本の学習・習得に時間がかかって、さんすうセットで遊ぶ余裕がない。

3)児童が幼くなったため、算数の学力向上につながる方向で遊べない。
 ちょっとさんすうセットを出させると、子どもは、おはじきを口に入れる。数図ブロックを積む、投げる。じゃらじゃら、じゃらじゃら、と、豆をつかむように手触りを楽しんで遊ぶ。数図ブロックを分解し中の磁石を出して集めて遊ぶ。数え棒を数えずに、横につなげて組み立てて遊ぶ。時計のダイヤルを、長針短針の動きとは関係なくギコギコ前後に動かし続けて遊ぶ。
 とにかく「手いたずら」的に遊んじゃう子が多いから、担任としては、授業時間内に短時間で使った後はなるべくしまわせざるをえない。ちなみに、しまうのにもやたら時間がかかる。


入学前、幼稚園・保育園では、お勉強なんかしなくてもいいから、ブロックをじゃらじゃらさせて遊ぶとか、そういうことを子どもにたっぷりやらせてほしいです。

いいなと思ったら応援しよう!