私を殺した人たち
https://d4p.world/news/14148/
フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの所属するNPOから転載させていただきました。
私自身も出自を理由に、過酷な差別を受けたことがある。
でも、私の魂をバラバラにした人たちは、自分たちもマイノリティーだった。
いくつもの嘘を流布され、生きている価値のない人間、つまらない人間、嘘つき、ダメ人間、ありとあらゆる罵詈雑言を吐かれた。
自分が言っていないことや、やっていないことを、まるで私がやったかのように仕立て上げられ、犯罪者のように扱われた。
それまで友達だった人がどんどんと離れていき、親しかった友達にまで「あいつと付き合うな」とメッセージがいった。
死の恐怖を感じるような書き込みまであった。
私は その時 何度も 死んだ。
人としての尊厳も、人間としてのアイデンティティーも、全て砕け散って、粉々になって、消え去った。
いまだにそのマイノリティーのグループは怖いし、どんなに多様性が進んでも、あのメンバーの中とつながりがある人とは、私は絶対に近よれないと思う。
個人なら今も付き合っている人たちもいるし、これからも大丈夫だと思うけれど、そのグループと関わっていたり、グループ全体とはもう無理なのだ。
できれば先入観や偏見を抱かず、彼らと属性の近い人たちとも自由に接したいし、友達になりたいと思っているが、えぐられた様にに今も残る心の傷がそれを阻む。
治ったと思ったら、また新しい傷ができ、そこから血が吹き出す。
対話をして許しあえたらとも何度も思った。相手を許し、彼らを彼らを憎む自分を許そうと思っ思った。でも無理だ。
以前はできた事が、あのことのせいで、一切できなくなった。
どんなに努力しても自分ではどうにもならなくなった。今でも怒りや憎しみが込み上げ、真夜中に恐怖で動けなくなることもある。
体中が痛くなったり、震えが止まらなくなる時もある。
それほどネットリンチは人の心に、いや魂そのものにダメージを与える。
その人たちの名前は "ハーフ" だった。
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