見出し画像

もらいもの(仮)36

―― え? 待って待って 俺がおかしいって言いたいの? ちょっと待ってよ それはあの 何? どういう目的があってそんな話になるんですか? ―― いや思い出すとか出さないとかじゃなくて あのさ ちゃんと見てるんですか 監視カメラ 聞き込みとか いやほんと 仕事する気あんのあんたたち え まじで 警察ってそんななの おかしいって おかしいよ それに仮にだよ ないと思うけど仮に 仮にそいつが あんたたちの言う通り存在しないんだとしたら ……何だよこの話 いや ないんですよ 単なる仮定の話ですよ 存在はしてるんですよ実際 でも百歩譲ってあんたたちの言う通り ね そうだったとしても してもだよ 俺何にもしてないもん そんなこと 俺いなかったもん そこに ―― だからさ そりゃ見た人はいるでしょうよ 話してたんだから ―― 誰と ってだから そのホームレスですよ 話してたっていうか まあ ―― なぜも何もないよ 話したかったから話しただけで 飯を クッソ 腹立つ なんでこんなことまで説明しないといけないんですかね 顔見知りだったからですよ いけませんかね ―― それでって別に ちょっと話してそんだけですよ 普段はそんなことしないけど ほらでも今日 撮影やってたでしょ だから だからっていうか たまたまね ―― そうです でも焦ったんでしょあいつは 今日に限ってほら そんな 普段と違うことするから ―― そうですよ 他にどう言いようがあります ―― また…… 何かこういうの あれですか 弁護士さんに相談とかできるんすか ―― いや あのね ほんとにこれ 何か隠してるとか 言い逃れしようとか そういうつもりじゃないんですよ ほんと 協力できることはしようと思ってね 僕は そう 見たままのことを 本当のことを言ってるだけなんですよ 嘘なんかつかないですよ それなのにさ あまりにもちょっと 言い方あれですけど もう完全に ね 完全に見当外れでしょ あなたたち ええ なんかほんとに この会話 時間を無駄にしてるようにしか思えないんですよ 僕は ―― 施設? ―― …… (××××) …… (×××××?) ……はい 聞いてます ―― いや やっぱちょっと いいですか 何のこと…… ―― その人が? そう言ってるんですか? ―― 全然 え 何の話ですか 僕のことですか ―― 待ってください 何か勘違いしてませんか それほんとに僕のことですか ―― え 何の話してんですか おかしいってか おかしいと言うより それ何か 別の人のなんか いや それ僕のことじゃないと思いますけど え なんで なんか違う人の話になって ―― いや そうですよ 名前はそうですけど でも

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?