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Message(010)『苦しみの理由』

旧約聖書に『ヨブ記』という書があります。

B.C.2000年くらいの出来事であり、主人公は『ヨブ』という人物です。ヨブさんは、たいそうな富豪で子宝にも恵まれ、一族の長として幸せに暮らしていました。何よりも素晴らしいのはその信仰でした。聖書には「潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた」と書いてあります。

ある日サタン(悪魔)が神様に言います。「彼のすべての持ち物を打ってください。彼はきっと、あなたに向かってのろうに違いありません。」そして、神様はそのようにさせます。ヨブさんはすべての財産、そして家族、さらには健康さえも失います。しかし、最終的にヨブさんはその信仰を守り、やがて失った全てを取り戻します。しかし、その過程においてヨブさんは、「主は与え、主は取られる」「幸いを神から受けるのだから、わざわいをもうけなければならない」と言いながらも、子供達を奪われ、財産を取り上げられ、病に苦しむ自分の状況に困惑し、その理由をどうしても知りたいと神のみこころを求めます。

僕たちも、日々の生活の中で「なぜこんなことが?」と思ってしまう事があります。間違ってはいないはずなのに、苦しみに合う事もあります。そんな時、「なんで、こんな目にあわなければならないんだ!」「なんで、あんな言い方をされなければならないんだ!」などと、恨みつらみを呟くことも多々ありましょう。

しかし、「神様の絶対主権」というものを覚えたいと思います。苦しさ、辛さ、試練には、間違いなく、神様の肯定的な理由、肯定的な意味があるということを覚えたいと思います。特に、神を信じ、イエス・キリストを救い主と信じる者にとって、大部分の苦しみ、辛さ、試練は、祝福の前兆であり、また信仰への試みであり、これを通して信仰者として成長させて下さるものと覚えたいと思います。また、自分の罪をしっかりと認識させ、悔い改めへと導いて下さるものと覚えたいと思います。

僕らは、ヨブさんと同様の苦しみ、辛さ、試練を味わう事があっても、翻弄されるだけに留まることはありません。なぜなら、「ヨブ記」を読むことが出来るからです。ヨブさんの時代にはなかった『聖書』を読むことが出来るからです。それによって真理に触れることが出来るからです。つまり、苦しみ、辛さ、試練のあとにはどうなるかを知ることが出来るのです。神様のみこころを100%知ることが出来なくても、神様がどのようなお方かを知ることが出来ますから、感謝です。


 『あなたがたの会った試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練と共に脱出の道も備えてくださいます。(新約聖書 コリント人への手紙第一10章13節)』

(了)

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