10分note【黒猫が前を横切る時も】
定時が13時〜22時と、特殊な勤務時間で働いている私。
会社にはフレックスが導入されているので、
転職して「普通のOL」をするなら今のうちから・・・と思って早起きしてみた。
朝7時。
ジリリなんて可愛いもんじゃない、
事故が起きたんじゃないかくらいのアラートが鳴る。
普段なら目覚ましなんてかけなくて、
欲望のままに、己の欲求にしたがって布団にくるまる。
猫だってこたつで丸くなるんだから、
人だってふとんで丸くなったっていいじゃない。
そんなわがままに打ち勝って、眠い目をこすって、
とりあえずゲームにログインしてボーナスをもらって、
キッチンでお弁当と言えないお米とおかずを用意して、
顔洗って、コロナでどうせマスクして見えないけど最低限化粧をして、
ゴミ袋片手に玄関の扉を開けるの。
あー、朝ってこれか。
いつも浴びている太陽は、
もっとずっと上にあって、もっと暑くて、おだやかなのに、
朝の太陽はこんなに涼しげなんだ。
毎日家を出るといる茶トラの猫だって、
いつも太陽が当たっている青い車の下にいないんだ。
いつも見ないはずの黒猫がご飯を食べて、水を飲んでるんだ。
普段と違う人とすれ違い、
電車の中は「普通に働く人たち」で溢れていて、
女性専用車両があって、
同じ時間に同じようなことをしている人たちを感じる。
あーこれが「朝」か。
これが「ふつう」か。
「黒猫」がしていることが当たり前の日常なのかもしれない。
でもそんな日常に、普通に戻ろうとしている。
それが正しいのか、
みんなと一緒だとなにもかも人だらけだし、
なにしてもちょっぴり高いし、
本当にいいことになんてあるの?
なーんて思うこともあるけれど
1年働いて自分はじゃじゃ馬クソ真面目だと気付いてしまったから
きっと優雅な茶トラよりちょっと必死に生きている黒猫を選ぶんだろう。
黒猫が横切るそんな朝。
今の私にとってはいつもと違う朝。
少しずつ慣れていって、少しずつ忘れていくんだろうな。
明日も必死に生きるぞ〜。
少しでも応援してくれたらうれしいです^^