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防塁
2022年1月18日 21:58
奥羽本線の扉が開いた。まだ夢の中にいるようだった。 小さな吹雪が車内に迷い込んできて微笑みながらあちこちに散っている。目を覚ました僕は入れ替わるように降車した。 新幹線の終点とはいえ、この駅に自動改札はない。学ランの右ポケットに入れてある学生手帳、その裏に定期券が挟んである。それを駅員に見せることでパスできる。「こういうものです」といった感じでまさに刑事のように見せる。(どういう顔をして