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防塁
2022年2月6日 15:59
仙台駅の西口から改札を通ると、すぐ左手に待合室がある。 入ると、すぐ左のカウンターには既に人がびっしりと腰かけている。中央に並ぶ病院にあるような椅子もいっぱいだった。二十三時半をまわった頃、ほとんどがスーツ姿であった。 二席ほど空いていた窓ガラス沿いの椅子に腰かけた。 ふとあるものが目につく。右斜め先、入り口との対面に位置したところにテレビが一つ拵えてある。堅苦しさの中に陽気を感じた。
2022年1月24日 04:21
2019年10月、私は初めて一人新宿駅に降り立った。 バスタ新宿で降車し、いつものポケモンの札が付いたキャリーケースの取手を握る。すると間もなく、金属を加工している最中のようなにおいがする。 東京だ、そう体が実感した。 降車後はすぐ近くのエスカレーターに乗り一階の改札前まで下るのだが、初めてで当然右も左もわからない。まずは地図を探した。 田舎者特有の「田舎者だと思われたくない
2022年1月18日 21:58
奥羽本線の扉が開いた。まだ夢の中にいるようだった。 小さな吹雪が車内に迷い込んできて微笑みながらあちこちに散っている。目を覚ました僕は入れ替わるように降車した。 新幹線の終点とはいえ、この駅に自動改札はない。学ランの右ポケットに入れてある学生手帳、その裏に定期券が挟んである。それを駅員に見せることでパスできる。「こういうものです」といった感じでまさに刑事のように見せる。(どういう顔をして