交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-9(一括対応が打ち切られる・・・?)
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:交通事故 】
昨日に引き続き交通事故について書いていきます。
ここ数日、物損(物的損害)について書いていましたが、この交通事故で僕はケガしているので、ケガの損害(人損)について書いていきます。
さて、僕は、新車で買ったばかりの最新式プリウスを運転しながら赤信号で停車していたら、後ろからヤリスクロスに追突されました。
新車で購入したばかりだったので、まず最初に自動車が心配になりましたが、自宅に帰ると、その晩、首と腰が痛くなりました。
痛みに我慢できず、翌日整形外科を受診して、CTを撮影したり、触診で確認してもらったりしましたが、異常はないと言われてしまいました。
医師からは「様子を見ましょう」と言われ、定期的に通院することになりました。
特に日常生活に制限はありませんでしたが、ふとした瞬間に首や腰に痛みが走ります。
また、基本的にずっと首や腰が痛いので、立ったり座ったりも結構つらいです。
横になっていれば、少しは痛みがマシになるので、なるべく横になっていることが多かったです。
定期的な通院をはじめて3ヶ月が経過しましたが、痛みの程度はあまり変わりません。
痛い状態が続いているので、痛みに慣れてきた感じはありますが、ふとした瞬間に強い痛みがあるという状態は変わりません。
僕は医師に相談しました。
「先生、もう事故から3か月経ちますが、全然痛みが変わらないんですけど・・・」
「うーん、なかなか痛みが引かないようですね。接骨院にも通われていますか?」
「ええ、週1くらいで通っています。お金も保険会社が払ってくれていますし」
「そうですか。もう少し、接骨院に通いながら様子を見ましょうか」
「はあ」
そんなことをドクターと話した後、全然治る気配がないまま、事故から4ヶ月が経過しました。
そうすると、相手の保険会社(あいおいニッセイ)から連絡がありました。
「おケガの状態はいかがでしょうか」
「まだ痛みがあって、もう少し様子を見ましょうとドクターに言われています」
「そうですか。もう少し通院が必要ということでしょうか」
「そうですね。ドクターに様子を見てもらう必要があると思います」
「わかりました。当社としましては、現在、治療費を病院に直接払っておりますが、今後、治療費の直接支払いをいつまで継続するか、検討しております」
「え、一括対応打ち切るんですか」
「いえ、今すぐ打ち切るのではなく、古田様ご本人から痛みについてお聞きしたり、ドクターからも事情を聞いたりして、いつまで一括対応を継続するか決めさせていただきます」
「まだ痛みは引かず、通院が必要なので、一括対応を続けてくれないと困るんですが」
「今回の事故では、何の落ち度もない古田様におケガを負わせていますので、当社としても、やれるだけのことはさせていただきたいと思っておりますが、痛みに改善が見られず、症状固定となった後の治療費は損害賠償の対象外となっておりますので・・・」
「わかりました!とりあえず、もう少し一括対応続けてくださいね!」
そう言って僕は電話を切ってしまいました。もう少し冷静に対応するべきでした・・・。
理屈を言うと、治療費は、いつまでも払ってもらえるわけではありません。「一括対応」といって、保険会社が病院に直接治療費を払ってくれる慣行があることは何日か前に説明しましたが、この慣行は、保険会社がいつでも打ち切ることができます。
そういう意味で「いつまでもは払ってもらえない」のですが、「いつまでもは払ってもらえない」の意味は、もう1つあります。
今回僕は、事故直後から首と腰に痛みが生じて、事故から3か月が経過しても痛みが引いていません。
痛みが引かないのであれば、痛みが引くまでずっと治療が必要です。そして、ずっと治療が必要なら、その治療費は賠償されるべきな気もします。
ただ、治療費が賠償されるのは、「症状固定」までのぶんだけです。
「症状固定」とは、「これ以上治療しても病状に改善の見込みがない状態」を意味します。
改善の見込みがないとはいえ、症状は残っているわけですから、その症状に対する治療は続けられます。
しかし、もう改善の見込みがない状態、つまり、「症状固定」となった後の治療費は、逐一賠償されることはありません。
症状固定後の治療費は、「後遺症慰謝料」や「後遺症逸失利益」などの損害から工面することになっています。
それ以上治療を施しても改善されない状態となっているのですから、治療費は「損害」に含まれない、と考えられているのです。
僕は、相手の保険会社から、一括対応の打ち切りをほのめかされてしまいました。
すぐには一括対応が打ち切られることはないでしょうけど、そろそろ打ち切られそうです。
そろそろ「症状固定」も考えなきゃいけません。いつまでも様子を見ることはできないので。
いつ「症状固定」にするかは、ドクターと相談することにします。
今日はこの辺にします。
それではまた明日!・・・↓
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