交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-19(「専門」弁護士について)
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:交通事故 】
昨日に引き続き交通事故について書いていきます。
さて、昨日は弁護士費用特約について書きました。
僕は弁護士ですが、自動車保険に加入するなら、弁護士費用特約はつけます。
弁護士費用特約は、使ってもグレードが下がって保険料が増額される心配はいりません。
また、自分の事故だからこそ冷静に見ることができなくなるので、他の弁護士に「仕事」として僕の事故を見てもらうために、実際に事故にあったら、弁護士費用特約を使います。
(脱線しますが、僕は、自動車はいらないと思っているので、自動車を購入して自動車保険に加入することはないと思います。仮に結婚して子供が生まれても、別に自動車移動が必須ではありません。自動車を使わずに暮らせる立地で、家族の大きさに合わせた賃貸に住み続けるのが、僕の人生プランです。自動車だけでなく、家や土地などの「所有権」を手に入れてしまうのがよくないんです。「所有権」なんかなくても、住むところは確保できますし、自動車にも乗れます。)
さて、そういえばずっと、後遺症の話をしていました。
「後遺症」とは、「これ以上治療を尽くしても改善の見込みがない病状」のことですが、後遺症は、等級(ランク)が認定されて初めて損害額が増額されます。
等級を認定してもらう方法として、「事前認定」と「被害者請求」は既に説明しました。
事前認定だろうが、被害者請求だろうが、いずれにせよ、等級を判断するのは、自賠責の保険会社から委託を受けた自賠責調査事務所です。
今回の設定では、僕の後遺症(首と腰の痛みが残っている)は、自賠責調査事務所の判断によると、後遺症の等級に認定されませんでした。
CT画像やMRIの結果を見ても、痛みを根拠付ける所見がないことが主な理由でした。
そこで、僕は、訴訟を提起することにしました。
正直なところ、訴訟を提起したところで、裁判官が自賠責調査事務所の判断を覆してくれる可能性は薄いんですが、最後の望みを裁判官に託したいのと、あと、保険会社は、訴訟提起前だと、値切り交渉をしてくるので、それに付き合わされるよりは、最終的に判決という形で結論が出る「訴訟」という手続きに乗せたほうがいいなと思い、訴訟を提起することにしました。
また少し脱線しますが、交通事故に限りませんが、交通事故で弁護士に依頼する場合に、「交通事故専門」弁護士に依頼しようと考える方がいらっしゃると思いますが、別に「専門」じゃなくていいと僕は思います。
どの弁護士も、少なからず、交通事故の経験は積んでいます。それくらい、弁護士にとって交通事故は「ありふれた」事件なんです。
当事者にとっては初めての経験なので、どうしても、「専門」に目が行きがちですが、「専門」が必ずしも最適とは限りません。
特に、「専門」の事務所は都市部に位置していることが多く、田舎から訪ねるのは難儀であることも多いです。
昨日も書きましたが、弁護士は自宅から近いほうがいいです。僕はそう思います。
近所だと、法律事務所に入っていく姿が誰かに見られたりするリスクを考える人もいらっしゃるでしょうが、それは気にしすぎだと思います。
というか、交通事故で弁護士に相談に行くのは、今の時代「ふつう」で、仮に誰かに見られたとしても、「交通事故で相談に行ったのよ」と言えば、それで済みます。
「専門」を目当てに自宅から離れた事務所に相談に行ったり、依頼したりするよりも、自宅から近い事務所のほうが、依頼する自分自身の負担が軽減されます。
事件は弁護士のモノじゃありません。依頼する本人が直面している紛争です。弁護士は、ご本人が直面している紛争を解決するお手伝いをするにすぎません。
紛争の解決は自分中心で考えるべきで、そうすると、依頼する弁護士は、自宅から近いほうがいいに決まっています。
確かに、「専門」に頼ったほうがいい事件もあります。
例えば、建築紛争や医療過誤など、法律以外の専門的な知識が必要になってくる分野は、最初から「専門」に頼ったほうがいいかもしれません。
しかし、自分の事件が、「最初から専門に頼ったほうがいい」かどうかは判断できません。だから、最初は、とりあえず近くの弁護士に相談に行けばいいと思います。
その弁護士に相談して、「それは専門の事務所に行ったほうがいいよ」と言われたら、専門の事務所に行けばいいですし、「うちでやれるよ」と言われたら、その弁護士の人となりをよく観察した上で、「依頼してもいいな」と思ったら依頼すればいい。
正直言うと、「専門」じゃなくても、弁護士って結構いろいろと知っていますよ。
僕だって、特に専門はありませんが、離婚、相続、交通事故、不動産賃貸、刑事事件に少年事件、破産に再生、過払いなどなど、ひと通りの知識は頭に入っています。
このあたりの事件であれば、だいたいは、問題なく処理できます。
これだけ書くと自慢のように見えますが、これって、多くの弁護士にとっては「ふつう」です。これくらいの知識が頭に入っていないと、弁護士として食っていけないからです。
紛争の当事者にとっては「ややこしくて難しい」と思われる事件も、ほとんどの場合、弁護士にとっては「ふつう」なんです。残念ながら。
この「不都合な真実」を踏まえて、あんまり頭でっかちに考えすぎず、近くの弁護士に相談してみてください。
すみません、だいぶ脱線してしまいましたが、今日はこの辺にします。
それではまた明日!・・・↓
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