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交通事故の被害にあった場合に弁護士の僕ならどうするか-5(普通に通院する)
【 自己紹介 】
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このブログでは、弁護士である僕が、もし仮に自分が紛争・トラブルの「当事者」となった場合に、「自分だったこうするだろうな」ということをお伝えしてしています。
僕自身、これまでの人生で大きな紛争・トラブルの当事者となったことがなく、今この瞬間、紛争・トラブルに直面されている方の苦しみや不安を代弁できるような立場にはないのかもしれません。
ただ、自分が紛争の当事者となった際の対処法を弁護士目線でお伝えできれば、それが、ご覧になった皆様のお役に立てるかもしれないと考えています。
あくまで、「僕だったらこうするだろうな」ということですから、ご覧になっている方々に必ずしも当てはまらないとは思いますが、僕のやり方をヒントに、自分なりに応用していただけたら、とても嬉しいです。
ご覧になっている皆様のお顔も名前も残念ながら知ることができませんが、アクセスしてくださり、ありがとうございます。本当に励みになっています。
【 今日のトピック:交通事故 】
昨日に引き続き交通事故について書いていきます。
さて、昨日のブログでは、自動車を修理工場に持っていって、そのあと、首や腰の痛みを整形外科で診てもらいました。
医師からは、普通に日常生活を送りながら様子を見ましょうと言われました。
ちょっと脱線しますが、世の中には、なるべくたくさん保険金をもらおうと考えて、必要以上に通院する人がいます。
いや、本当にいます。週に何度も通院する人が現実に存在します。
もちろん、医師の指示で「明後日来てください」とか「また金曜日に来てください」と言われたら、当然通院するべきでしょうけど、そうでもないのに、週に何度も通院する人が本当にいます。
僕が今回負ったケガは、いわゆる「むちうち」で、傷病名は、首の痛みが「頚部挫傷」、腰の痛みが「腰部挫傷」と診断されました。
「痛い」という自覚症状があるのは間違いないのですが、それを基礎づける医学的所見が見当たらないので、激しい運動を避けて、毎日十分に休養をとりながら、普通に日常生活を送る以外に手当のしようがありません。
(僕は医師ではないので、専門的な知識があるわけでもありませんが、僕の経験上、むちうちでは、湿布などを処方して様子を見るだけの治療を行うケースが多いです)
ケガをしてしまった設定の中の僕にとっては、「医学的所見が見当たらない」=「医学的にはお前の痛みは根拠がない」という現実はめちゃくそにムカつきます。
僕にとっては、明らかに、事故によって首や腰に大きな衝撃を受け、その衝撃が原因で首や腰に痛みが発生したわけですから、「医学的に説明がつかない」なんて大嘘です。
「いやいや、医学的に見て、事故の衝撃が原因に決まっているでしょ!」という話なんですが、事故を現実に体験していないドクターは、平気で「医学的に説明できない」と言ってきます。
困ったものですが、これが現実です(泣)。
こういう現実がくそ腹立つのですが、とはいえ、様子を見ながら痛みの推移を見守るしかありません。
そんな治療をしているのであれば、週に何度も通院したとしても、何か状況が変わるわけではなく、無意味です。
確かに、通院の回数や頻度、通院期間によって、損害の金額は算定されます。
だから、「なるべくたくさん通院して、なるべくたくさん保険金の支払いを受けたい!」という話になるんですが、でも、その通院が、「なるべくたくさん保険金を貰う」ことを目的としていたら、当然、事故の「損害」に含まれません。
僕が今回負ったケガは、週に何度も通院して改善するシロモノではありません。医師も、「また明日来てください」とか指示していません。
にもかかわらず、僕が、週に何度も通院していたら、「保険金目的なのでは?」と疑われかねません。
保険金目的を疑われてしまうと、せっかく「一括対応」で、相手の保険会社が治療費を病院に直接支払ってくれていたのに、それを打ち切られてしまう可能性が高まります。
この「一括対応」は、やるかどうかは完全に相手の保険会社の一存なので、常に打ち切りのリスクにさらされています。
僕も、過去に「一括対応は来月いっぱいで打ち切ります」という手紙を、保険会社の代理人として被害者に送ったことがあります。
一括対応を打ち切られたら、治療費は持ち出しになってしまいます。自分の健康保険を使って、3割負担で通院しなきゃいけなくなります。
もちろん、3割負担で支払った治療費も、交通事故による「損害」に含まれるなら、後で保険会社が支払ってくれますが、保険会社は、一括対応を打ち切った後の治療費を、自発的に「損害」に含めてはくれないでしょう。
そうすると、一括対応を打ち切った後の治療費も損害に含まれると保険会社に認めさせるには、訴訟を提起しなきゃいけなくなります。
訴訟を提起すると、手間もお金もかかります。敗訴するリスクもあります。
だから、最初から訴訟リスクを抱えるのは得策じゃありません。そうすると、なるべく、相手の保険会社に対する印象は良いほうがいいです。つまり、一括対応を打ち切られないようにしたほうがいいんです。
だから、僕は、ムカつく気持ちをぐっと抑えて、医師から指示された頻度で通院します。
「また来週来てください」と指示されたら、また来週通院します。
「2週間後にしましょう」と言われたら、2週間後にします。
医師に指示された以上に通院してしまうと、「医師に指示された以上に通院した」という事実が残ってしまいます。
もちろん、容態が悪化したらすぐに受診します。それは、通院する理由があるからです。
通院する理由もなく、医師から指示された頻度以上に通院してしまうと、それは「保険金目的」と捉えられかねません。
僕だって、なるべくたくさん保険金を貰いたいと思っています。
そのために最適なのは、なるべく「一括対応」の期間を延ばすことです。
通院頻度が高すぎると、一括対応が打ち切られてしまう可能性が高まります。それは得策ではありません。
事故直後は、感情的になってしまい、冷静な判断ができず、「なるべく通院したほうがいいはず!」と思いがちですが、とりあえずは、保険会社のお金で通院できているので、それでよしとする冷静な心持ちが大切です。
最終的に貰える保険金の金額(=損害の額)が決まるのは、まだまだ先のことです。
というのも、事故直後は、首や腰の痛みがどれくらい続いて、治療にどれくらいの期間が必要なのかもわからないからです。
首や腰の痛みが治る(痛くなくなる)のであれば、治癒するまでの期間が決まらなければ、損害額は算定しようがありません。
もし痛みが治らない(痛みが残る)のであれば、「症状固定」といって、「もうこれ以上治療を続けても改善の見込みがない」という段階にならなければ、損害額は算定しようがないんです。
事故でケガを負うと、どうしても紛争は長引きます。だって、ケガがいつ治るのか、いつ「症状固定」となるのか、すぐにはわからないからです。
治療費は持ち出しがないとしても、通院するだけで時間や手間がかかり、それがめちゃくちゃムカつくのですが、そういった「時間や手間」をお金に換算するためには、最終的に治療にどれくらいの期間がかかったのかを確定させなきゃいけないのです。
とりあえずは、一括対応で治療費を支払ってもらいながら、様子を見ようと思います。僕なら。
今日はこの辺にします。
それではまた明日!・・・↓
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