#424 不動産の財産分与(脱線しまくっています)-1
【 自己紹介 】
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このブログでは,2017年1月に弁護士に登録し,現在弁護士5年目を迎えている私古田が,弁護士業界で生き残っていくために必要不可欠な経験と実績を,より密度高く蓄積するため,日々の業務で学んだこと・勉強したこと・考えたこと・感じたこと,を毎日文章化して振り返って(復習して)います。
僕の経験と実績を最も届けなければいけないお相手は,このブログを読んで,僕のお客さんとなってくださるかもしれない方々,つまり,法律のプロではない皆さんだと思っています。そのため,日々の業務・経験がこのブログのトピックになっているとはいえ,法律のプロではない方々にわかりやすく伝わるよう,心がけています。
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【 今日のトピック:不動産の財産分与 】
今日は,「不動産の財産分与」についてお話ししたいと思います。
さて,離婚に伴って,「財産分与」なるものが行われることは,結構有名だと思います。
「財産分与」って,何をしているかというと,夫婦で築いた財産をはんぶんこにしているのです。
夫婦は結婚すると,2人で生活を始めます。
最近は共働きが多いでしょうから,夫婦でともに働いて,それぞれ収入を得て,その収入を夫婦のために,そして,家族のために使いながら,毎日の生活を営んでいきます。
妻が食費を出してくれたら,そのぶん,夫は食費を出さずに済みますし,夫が家賃を払ってくれたら,妻はそのぶん家賃を払わなくて済みます。
お互いに家計を支え合って,生活を営むのが夫婦です。
こういう価値判断が前提にあるので,夫婦で築いた財産は,はんぶんこにしましょう,となるのです。
お互いがお互いを支え合って,夫婦それぞれの預金が増えたり減ったり,マイホームを買ったりしているわけで,それを,厳密に,夫婦どちらのおかげなのかを決めるのはムリです。
夫婦間で,厳密に財産を区別する契約なんか結んでいたら話は別ですが,今のところ,そういった夫婦には出会っていません。
だから,夫婦は,離婚する場合,「財産分与」として,夫婦で築いた財産をはんぶんこにしなきゃいけません。
じゃあ,「夫婦で築いた財産」ってなんだろう?というのが,今日のテーマです。
「夫婦で築いた財産」で,頻繁にモメるのは,マイホームです。
僕の考えとしては,5000万円のお金を借りてまで株式に投資することは「やべぇ」と思われるのに,5000万円のお金を借りてまでマイホームに投資することは「普通」と思われていることがめちゃくちゃに不思議なんですが,お金を借りてまでマイホームを買うことは,本当によくあります。
ちょっと脱線しますが,お金を借りなくても住居を確保することは可能です。
賃貸で借りればいいからです。
確かに,借りた場合,最終的に不動産をゲットすることはできません。
だから,毎月払っている家賃が「ムダ」にも思えます。
しかし,「家賃」とは,大家さんから見れば,「運用益」です。
自分が持っている不動産を運用して得た利益こそ,「家賃」なんです。
つまり,「家賃を払う」というのは,「大家さんの運用益を払わされている」ことを意味します。
この「運用益」は,マイホームを購入する際も支払わされます。
それは,ローンの利息です。「利息」は,銀行から見れば,自前のお金を運用して得られた「利益」なので,運用益にほかなりません。
だから,「運用益」を支払うことによって,住居を確保しているのは,マイホームも賃貸も同じなのです。
ただ,マイホームの場合は,「住居の確保」に加えて,「所有権」も手に入れようとしているので,めちゃくちゃお金が必要になってしまうのです。
賃貸よりもお金がかかってしまうのは当たり前です。
「運用益」しか払わない「賃貸」と,「運用益+所有権」を払う「マイホーム」では,マイホームのほうがお金がかかってしまうに決まっています。
そして,ここがめちゃくちゃ大事なのですが,マイホームのうち,「建物」の部分は,必ず価値が落ちます。
「必ず」です。
この日本では,時間が経つにつれて,建物の価値は下がり続けます。
だから,マイホームというのは,お金を借りてまで,「必ず価値が落ちるモノ」に投資をしていることになってしまいます。
ただ,「土地」は「必ず価値が落ちる」とは言えません。
というか,土地は,理論的には価値が下がりません。なぜなら,「土地の価値」とは,「その場所の価値」だからです。その土地は,その場所から動かないので,価値は上下しようがないのです。理論的には。
ただ,実際には,周囲の環境や時代の変遷によって,かなり上下します。
そうすると,「土地」は,「建物」と違って,「必ず価値が落ちる」わけではありませんが,「価値の上げ下げ」はあり得ます。
つまり,「リスク」があるということです。
結局,投資対象としては,不動産(土地と建物)も株式と全く変わりません。株価に上下があることで株式を買うことにリスクがあるのと同じように,土地の価値にも上げ下げがあるので,土地を買うことにもリスクがあります。
お金を借りてまで土地を買うということは,お金を借りてまでリスクがある商品(株など)を買っていることと何ら変わりません。
既にめちゃくちゃイヤな言葉を連ねてしまいましたが,もう少し続けます。
そもそも,建物の価値が必ず下がるとしても,価値が下がらない土地を買えばいいわけです。
そうすれば,損はしません。
でも・・・・です。
誰しも,「この土地なら値下がりしない」と思って買っています。
値下がりをわかっていながら土地を買う人なんていません。
全員,「大丈夫!」と思って土地を買っています。
それでも,損をしている人がたくさんいます。
例えば,うつ病などを患ってしまって収入が長期間にわたって減少したため毎月のローン返済が重たくなり,マイホームを売却して売却代金でローンを一括で返済しようとしても,売却代金がローンの残債に足りず,その結果,マイホームを売却してもローンの返済がなくならず,仮に売却した場合,ローンの返済と家賃の両方を負担しなければならなくなり,より一層生活が厳しくなる。
そんなことも,何度も僕は目の当たりにしてきました。
こうなってしまうと,ジリ貧なので,どこかのタイミングで破産してローンをチャラにしてあげて,生活をリセットしてあげる必要があると思います。
「破産」には,今だに,めちゃくちゃネガティブイメージがつきまとっていますが,その「ネガティブイメージ」は合理的に説明できません。
破産しても,別に生きていていいですし,不都合といえば,クレジットカードが作れなくなるので,日々の支払いがすべて現金になってしまうことくらいでしょうか。
最近は,ペイペイなどのスマホ決済で,口座からチャージする方法がありますが,そういった口座からのチャージは,破産した後も使えます。
破産しても,預金口座が凍結されるわけでもありません。預金口座を使っていいです,破産しても。
マイホームの話から,破産の話に着地してしまいましたが,いわゆる「マイホーム破産」は,それなりにあります。
それはすべて,「お金を借りて家を買うこととお金を借りて株を買うことは同じ」という知識がないせいです。
「家賃を払っても家賃を払うだけで家が残らないのはもったいない」はウソです。
家賃=運用益ですが,マイホームを買う際も,「利息」という「運用益」は支払わされています。
これは別に,「マイホームは損だから買っちゃダメ!」という話ではありません。
マイホームを買うと「リスク」を引き受けることになる,ということを理解しなきゃいけない,ということです。
株価が変動するように,不動産価値も変動します。
そういった「価値が変動する」モノを,「お金を借りてまで」購入している。
このことをきちんと頭に入れた上で,マイホームは購入しなきゃダメです。
なぜなら,このことを知らなかったとしても,「知らなかった」は通用しないからです。
この世界は知識社会です。
知識がない人が損をして,知識のある人が得をします。
僕としては,身分によって生き方が決まっていた過去の社会よりはマシだと思っているので,知識社会はそれなりに好きです。
この「知識社会」では,「リスク」を「知らなかった」では救われません。
契約書にサインしたのであれば,「知らなかった」が通用しなくなります。
だって,その契約書(マイホーム購入契約書,住宅ローン契約書)を見れば,その契約書から引き起こされる「リスク」は,当然ながら,頭に浮かぶ「ことになっている」からです。
マイホーム購入契約書と,その購入資金を工面するための住宅ローン契約書にサインしたということは,↑に書いたようなことをすべて理解して,それでもあえて,マイホームを購入した,ということになります。
ここまで書いたことをまとめると↓
・住居は賃貸で確保できる
・家賃も利息も同じ「運用益」
・にもかかわらず,あえて「リスク」のある不動産を「購入」する
・しかも,購入した「建物」は必ず価値が下落する
こんな感じですかね。
今の「知識社会」は,めちゃくちゃに残酷ですが,仕方ありません。
もともと,世界は残酷なのです。進化論のもと,適応できない個体は死に絶える運命だからです。
エラそうに言っている僕も,それほど今の「知識社会」に適応できている方じゃないと思っているので,めちゃくちゃ適応できているお金持ちの皆さまに,いつでも養ってもらえるように心がけています。
だから,ゼッタイにお金持ちを悪く言ったりしません。
人間は,誰かに頼って生き残る方法を脈々と受け継いできました。
僕も,誰かに頼って生き残れるよう,頼る可能性が高い「お金持ち」を悪く言わないようにしています。
さて,話がめちゃくちゃに脱線しました。すみません(汗)
財産分与の話は明日します!
それではまた明日!・・・↓
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