クヴァラツへリアに続け! ジョージア🇬🇪の逸材 ジョージズ・ミカウタゼ
イタリア・セリエAは2011/12シーズンからユベントスが9連覇を果たしていましたが、それを止めたのがインテル、翌年はミランという北部のチームが復活を印象付けました。
しかし、昨季躍動したのは南方のナポリでした。インシーニェ、クリバリ、メルテンスという功労者を失いながらもスパレッティ体制のもと圧倒的な強さで33年ぶりのスクデットを獲得しました。
ナポリ中でとりわけ輝いていた人物の1人に、ジョージア🇬🇪代表のクヴィチャ・クヴァラツヘリアという選手がいました。フットボールではジョージアという国の知名度は低かったですか、圧倒的なパフォーマンスで周囲の雑音を黙らせました。
欧州のフットボール界においてクヴァラツヘリア及びジョージアの知名度が高まったのは間違いないですが、昨季はフランス2部リーグドゥにて名を高めたジョージア人がいました。
彼の名前は「ジョージズ・ミカウタゼ」。みなさんが全く馴染みのない名前ではあるかと思いますが、私自身もあまり馴染みがありません。しかし、昨季はリーグドゥで得点王に輝き、所属クラブのFCメスを2年ぶりの1部復帰に導きました。
そんな彼に関して今回はいつものごとく生い立ちから現在までプレースタイルも含めて紹介していきます。
美食の街リヨンからスタート
2000年8月31日、ジョージア人の夫婦の間でフランスの大都市、リヨンでミカウタゼは誕生しました。
2007年に地元クラブのFCジェルランでプレーし、2008年から7年間名門クラブのリヨンの下部組織に所属していました。その後2年はASサン=プリテストで経験を積み、2017年はFCメスの下部組織に入団しました。
そして、2019年12月7日のニース戦でプロデビューを飾り、試合は大敗という結果には終わりましたがその3日後にプロ契約を勝ち取りました。
そして翌年には共同オーナークラブのRFCセランというベルギーのクラブに1年間の武者修行を2度言い渡されました。
*2回目に関してはただの武者修行ではなく、2021/22シーズンリーグアンの開幕戦に出場したミカウタゼは3-2でリードしていたロスタイムに出場するもボールをキープせずに強引にシュートにこじつけて外してしまい、後にチームは同点弾を浴びて勝ち点3を失うことに。激怒した当時のアントネッティ監督はもう1年レンタルすることをクラブに強制しました。
この結果が功を奏し、1年目は2部でトータル24試合22G2A、2年目は1部でトータル33試合14G2Aという目に見えた結果を残すことができました。2部時代は得点王に輝き、ベストプレイヤー賞も受賞して名声を得ました。
その活躍を受けて2021年レンタル中に保有元のFCメスは2025年まで契約延長。最初こそ監督に嫌われましたが、再び戻ってきたときはチームの核となっていました。
2022/23シーズンは開幕当初からCFのレギュラーを掴み、最終的には37試合で23G8Aという記録を残し、得点王と共にリーグドゥ最優秀選手賞にも輝きました。チームも年間最優秀チームの名誉を獲得し、ボルドーの不名誉な事件により2年ぶりのリーグアン復帰を勝ち取りました。
サニョルが切り開いた代表活動
ジョージア人の間にリヨンで生まれたことでフランスとジョージアの国籍を持つ彼ですが、代表活動においては選択に頭を悩ませることはなかったようです。
彼がジョージア代表を選択するにあたって背中を押してくれたのが、現ジョージア代表監督で、バイエルンミュンヘンでも活躍した、ウィリー・サニョルでした。
右のサイドバックとしてバイエルンやフランス代表でも活躍したサニョルはU21フランス代表
ボルドー、バイエルンのアシスタントコーチを経て2021年の2月にジョージア代表監督に就任しました。
サニョルが就任した翌月に召集されたのがミカウタゼでした。サニョルの知名度はもちろん、フランス語が通じる点や、サンテティエンヌ(サニョル)とリヨンという出身地が近いということもあって両者にとって親近感が湧くような点はいくつかあったのではないでしょうか。
2021年3月25日のワールドカップ予選スウェーデン戦で代表デビューを飾り、以降も順当に代表に選ばれ続けています。フランスの世代別代表には召集された過去はありましたが、デビューは果たせず。過去にはジョージア代表についてもまだジョージアに完全に絞ったわけではないことを仄めかしていましたが、今後はジョージア代表で落ち着くでしょう。
純粋な9番というよりも...
たくさん点を稼いだミカウタゼでしたが、純粋な9番としてのCFというよりかは、ボックス内に留まらずに下がってパスを引き出したり、ドリブルを仕掛けたりすることが多いです。
175cm71kgというセンターフォワードとしては小柄な体格のため、空中戦にはやや苦労している印象もありますが、その分溢れ球の素早い反応、DFの死角をとる動きは年々上昇気味だと思います。それでもやはりドリブラーとしての印象と高い決定力が彼の最大の持ち味であると感じます。
小さなCFとして自分の持ち味を2部では最大限に発揮することができましたが、リーグアンには大柄な相手が数多く存在しているため、今後伸びる可能性もあれば壁にぶち当たる可能性も無きにしも非ず。
ミカウタゼのプレースタイルはこちら
知名度を上げるべく
彼に関してはイングランドのバーンリーやフランス国内からも注目が集まっている様子でしたが、FCメスは彼に1500万ユーロのプライスタグをつけてなるべく彼に残留してもらうように働きかけているようです。
まだそれほど動きは活発にはなっていませんが、彼を狙うクラブの動きはこれから本格的になる可能性も否定できません。
ただ、私は来季もリーグアンで見たいというのと、代表ではクバラツヘリアという大スターがいますが、彼に負けないくらいの活躍をすれば今後フットボール界においてジョージアの知名度向上にも大きく繋がるでしょう。