すきな文

①村上龍『69』
メリージェーンのような美しい女の子とデートしてて、その子が「なんで映画や本の中までわざわざ苦しい物語を観ないといけないの」と言ってたところ
その子の雰囲気が一気に分かったし、そうだよなぁと、ちょっとだけ思う

②村上春樹『スプートニクの恋人』
君の書く文章が好きだ、という話をしていて、どんなふうに好きか説明するところ
文章褒められたらいちばん嬉しいよね

「たとえば君が5月の海辺を描写すると、耳の中で風の音が聞こえてそこに潮の匂いがする。
太陽のかすかな暖かさを両腕に感じることができる。たとえば君が煙草の煙に包まれた狭い部屋について書くと、読んでいて本当に息苦しくなってくる。目が痛くなってくる。」

③よしもとばなな『ハゴロモ』

「明るい部屋、あたたかいストーブの熱気の中で、床に座ってふたりは淡々とそれらのものを食べた。私はとてもおなかが空いていたことに気がついて、とても美味しく食べた。この子の前では私いつも美味しくものを食べている気がした。そしてそれは、とても良いことであるように思う。

人の意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った。」

④何で読んだかわからないけどメモしてあった

「うんざりするほど手間をかけたくなるものが、生きているうちにひとつでも見つかれば、それで良いと思うのだ。」



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