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神田伯山独演会@桃源文化会館(2023/01/29)【講談編#41】

こんばんは。飯山大五郎です。

今年最初の遠征でしょうか。山梨県は南アルプス市、桃源文化会館までやってきました。こちらで、神田伯山独演会が行われました。

最初は遠いな…とも思ったのですが、調べてみると、実に東京から行きやすいこと!新宿から高速バスに乗り3時間、白根IC西というバス停で降りてふらふら歩くと、とても綺麗な建物が見えてきました。ここか。

このチケット、電話のみという予約方法、席指定の面倒臭さ、代金の支払方法等相まって途中で購入をやめようかとも思いましたが、なんとか踏みとどまって購入しました。完売御礼とのことです、すごい。お客席は、老若男女問わずおられる様子。さて、どんな読み物が聞けますやら。

この日の演目は、こんな感じでした。

○「子ほめ」三遊亭こと馬

この日の開口一番は、圓馬師匠の弟子のこと馬さん。独演会ではよくお見掛けしますね。それもそのはず、安定感抜群の高座。満員の客席を前にしても、落ち着いた雰囲気で、それもしっかり後半にかけて笑いが大きくなっていくからすごい。

○「三方一両損」神田伯山

お待ちかね、伯山先生登場。この日の一席目は「三方一両損」。相変わらず、金太郎、吉五郎、双方の大家といった江戸っ子たちの威勢の良いこと。お白洲の場面の金太郎の台詞は何度聞いても面白いし、二人の言い分を聞く大岡様の様子もいい。以前よりも大岡様のお裁きの説明が順序よくわかりやすくなっていてスッキリしました。

○「荒大名の茶の湯」神田伯山

一度下がって二席目は『難波戦記』より「荒大名の茶の湯」。今年の大河ドラマに因み、家康が登場する読み物を。茶室での所作を「ただ真似をすればいい」だけなのに、なんでこんなにも奇跡的なことが積み重なるのでしょう…(笑)。そしてこの日の出来事が、あの天下分け目の戦いの勝敗を左右することになるとは。…大げさなんだけど、やっぱり面白いんだよなあ。

○「阿武松」神田伯山

今一度下がって三席目は「阿武松」。談志師匠→松鯉先生→伯山先生という流れの読み物で、笑いどころ満載。一日七升の食いっぷりは実に見事。環境が変われば、人も変わることができる良い例。「初日二日と勝ちました、三日四日と負けません、五日六日と土付かず…」と、このリズムがいい。「阿武松」という名の由来についても講釈があって、これは初めて聞いたかも。

〈お仲入り〉

休憩です(15分程度)

○「中村仲蔵」神田伯山

お仲入りを挟んでの4席目は「中村仲蔵」。これまでに耳にしてきた形とは大きく変わっていた!最初の仲蔵の台詞、さらに金井三笑の件はカット。当時の役者の階級から話が始まり、團十郎が仲蔵を名題に引き上げるきっかけの場も描かれ。これによって、仲蔵が周りの人間関係以上に、芸に、作品に対する集中力を持って工夫をしていく雰囲気がより強く感じられました。


いやほんと、めげずにチケット買ってよかった。いいもの聞けました。それではまた。

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