講談の夕べ@雑司谷拝鈍亭(2023/02/26)【講談編#46】
こんばんは。飯山大五郎です。
先日、講談の夕べという会に行ってきました。会場は、雑司谷拝鈍亭。初めて伺う会場。本浄寺の境内にある建物で、知らなかったのですが、毎月、講談や落語、浪曲の会が開かれているようです。拝鈍亭は「はいどんてい」と読むそうで、中には作曲家・ハイドンの絵や、紙切り・林家花先生の作品があったり。どういうわけですかねえ、聞いてみればよかった。
この会の存在を知ったきっかけとなったのは、浪曲師・玉川奈々福先生のTweet。画像をよくみると、一龍斎貞心先生が出演されるとのこと。私の好きな講談師のおひとりです。まして先生のHPを見ると、ずっと私が聴きたかった読み物をおかけになるとのこと!もうこれは行くしかないでしょう。
というわけで、この日の演目はこんな感じでした。
○「勘当の名笛」一龍斎貞司
この日の開口一番は貞心先生門下の貞司さん。凄く凄く、貞心先生を彷彿とさせる心地よい口調・読みをされています。読み物は「勘当の名笛」。初めて聴いた読み物。口うるさく言ってくれる人の大切さ、自分で考えて行動することの大切さを再認識できる読み物。笛の音が実に綺麗。
○「玉菊灯籠」一龍斎貞心
お待ちかね、貞心先生登場。そうなんです、先生の十八番である「玉菊灯籠」をお読みになったんですよ。まくらでもおっしゃっていましたが、貞心先生はこの読み物を「5年に1度」ほどお読みになっているそう。昨年開催された「玉菊灯籠を聴く会」(←行けなかったのですよ)でお読みになっていて、しばらくは聞けないなあ…と思っていたのですが、まさかこんなに早く聴けることになるとは。
そんな「玉菊灯籠」。初めて聴きましたが、いやもうこれがすごかった。
大工の弥吉と、吉原随一の花魁・玉菊とが、どちらも真っ直ぐに素直に恋愛をしている感じが見ていて愛おしい。お互いがお互いを思いやって、幾日も頑張って生きてきたところなんか胸打たれます。でも、「吉原」というフィルターを通してしまうと、それすら商売だと思ってしまうのでしょう。弥吉の母がとった行動も全く理解できないわけではないです。でも。母は玉菊が来たとき、本当は考え直すべきだったのです。
私が言いたいことのほとんどをうまく表現できていないことにもどかしさを感じます。もう一度、また5年後に、この読み物を聞きたいです。それまで、私も勉強しようと思います。
たっっぷり読み物の世界に浸ることができました。行くことができてよかった。それではまた。