神田伯山PLUS@イイノホール(2024/10/15)【講談編#48】

こんにちは、飯山大五郎です。ご無沙汰いたしております。
今年の夏は長く、厳しかったですねえ…と話していたところ、昨日でしたか、31度という季節外れもいいとこの最高気温が叩き出されまして、温度差にやられております。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

先日、神田伯山PLUSに行ってきました。会場は、お馴染みイイノホール

この会は通常の独演会と異なり、

前座→伯山先生1席→ゲスト1席→仲入り→伯山先生1席

という形式で行われている会で、前座さんなしの日もあったりしますが、ゲストは毎回おられます。発足当初は、二つ目の講談師をゲストに招いて催されておりましたが、ひとまず一巡したということで、先輩講談師や浪曲師、色物の先生など、幅広くゲストに招くようになりました。

そして、今回のゲストは三遊亭王楽師匠。落語家の師匠をゲストに迎えるのは初めてとのこと。それも、来年2月に七代目円楽を襲名する、今話題の王楽師匠。どんなはなしが聞けますやら。

この日の演目は、こんな感じでした。


○「和田平助 鉄砲切り」神田若之丞

この日の開口一番は、伯山先生の三番弟子、若之丞さん。実に伸びやかで明るいお声。ところどころ勢いのよさがあっていい。ただ、のっぺりというかつるつるというか、聞き取りにくい部分があったり。言葉がもう少しはっきりしてくると、読み物全体のテンポもかたまってきそう。

○「柳沢昇進録 河村瑞賢」神田伯山

伯山先生の前席は「河村瑞賢」。愛山先生や春陽先生が読まれているのを聞いたことがありますが、お二人と異なるのは、瑞賢が江戸弁を話す、というところ。師匠・松鯉先生も江戸弁で読まれているそうで。大阪弁ではないのだけど、口調というか、トーンというか、それが独特で面白い。

○「愛宕山」三遊亭王楽

王楽師匠は、マクラで五代目圓楽・六代目円楽との思い出をたっぷり聞かせた後、「愛宕山」へ。山を登っていく幇間の、歌と歩く姿で見える変化が可笑しくて。袖から出てきて高座に上がったときにも感じた華やかさが随所に現れるし、山の風景がグーっと広がって見えてすごい。

〈お仲入り〉

休憩です(15分程度)

○「赤穂義士銘々伝 勝田新左衛門」神田伯山

黒紋付で袖から登場した伯山先生。後席は「勝田新左衛門」。先日、浅草のトリでかけていたのをXの根多帳で知り、聴きたいなあ、と思っていた矢先だったのでかなり嬉しい。この読み物は愛山先生からのもの。何年か前に愛山先生か読んでいた時に、その話が出ていて。「一言一句変えずに読む」よう言われておりました。この日も、「一言一句変えずに読む」と宣言をされてから読み物へ。

赤穂義士伝のテーマは「別れ」であると愛山先生が仰ってましたが、それでいえば、今回は勝田とその家族の別れが描かれます。「敵を欺くにはまず味方から」。明日、討ち入りに行くなど口が裂けても言えない中で、どのように別れを告げるのか。その後、義父が銭湯に行く場面が描かれるのですが、めちゃくちゃ熱い湯が大好きだそうで、それに町内の若い衆が振り回されるという可笑しさあふれる場面もあったり。無事に本懐を遂げ、泉岳寺に引き揚げた勝田と義父・息子との対面の場でのやり取りはボロボロ泣いてしまう。カッコ良すぎますよ。笑ったり泣いたり、たっぷり味わってまいりました。


次回の開催は11月20日(木)。ゲストは上方より旭堂南鱗先生。これも行きたい!!チケット、手に入れねば。それではまた。

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