『東京人』発売記念講談会@お江戸日本橋亭(2023/01/05)【講談編#38】
こんばんは。飯山大五郎です。
ご挨拶が遅れてしまいました。あけましておめでとうございます。新年、いかがお過ごしでしょうか。今年も皆様にとって良い年となりますように。
さて、私の今年の聴き初めは、お江戸日本橋亭で開催された『東京人』発売記念講談会となりました。(写真を撮り忘れました…)
その『東京人』、今月(2023年1月)発売号が講談を特集しており、その記念講談会が開かれることになりました。出演は、神田愛山先生、宝井琴調先生、田辺いちかさんといった講談師に加え、誌面で愛山先生と対談をされた落語家の柳家喬太郎師匠がゲストという、なんとも豪華な顔ぶれ。チケットは即日完売とのことでした。
というわけで、この日の演目はこんな感じでした。
○「酒呑童子」宝井小琴
あれ、開口一番、小琴さんが上がっている…講談協会の定席に行くと、開演時間前から前座さんが上がっていることが多いです。小琴さんが上がっているころ、入場待ちだったのでしっかりとは聴けませんでしたが、一言ひとことがはっきりと聞こえてくる読みをされていました。
○「わんぱく竹千代」神田紅希
ようやく座れた…。続いても前座、紅希さん。よくおやりになっている「わんぱく竹千代」を。お女中さんの中には小琴さんもしっかり(笑)。竹千代も長四郎もかわいらしい。かわいらしさの中に、長四郎の主人を慮る姿が胸打たれます。
○「名医と名優」田辺いちか
続けて二つ目、いちかさんは「名医と名優」。松鯉先生は「男の花道」でおやりになってましたが、いちかさんの半井先生と歌右衛門は二人とも爽やかで、若さ故の熱さを感じます。「この御恩は決して忘れません」なんて言いますが、それを地でいく二人が実に見事。
○「徂徠豆腐」宝井琴調
仲入り、琴調先生は「徂徠豆腐」。滑稽な読み物を読まれる琴調先生も好きですが、武士が出てくる読み物を読まれる琴調先生が実にかっこいいのです。琴調先生がおやりになるのは、惣右衛門と七兵衛の男の付き合いが中心にあるような感じがして、これも良いなあ。
〈お仲入り〉
休憩です(15分程度)
○「トーク」神田愛山・宝井琴調・瀧口雅仁
詳しくは書きませんが、演芸評論家の瀧口さんの司会で、トムとジェリーな間柄(笑)の愛山先生と琴調先生が、次から次に貴重なお話をされていました。お二人とも、講談の未来を見据えておられるのがよくわかるトークでした。
○「親子酒」柳家喬太郎
落語家であること、永谷の演芸場に出ているというアウェーな状態の喬太郎師匠。たっぷりまくらを振っていたので漫談で下りるのかな?と思いきや、サラッと親子酒を。え、婆さん呑んじゃうの!?(笑)。短い時間になったので急ピッチで出来上がっていく爺さんも面白かったなあ。
○「敵討母子連れ」神田愛山
この日の主任は愛山先生。読み物は、菊池寛・原作の「敵討母子連れ」を。いやあ、私この読み物好きだなあ。高木と竹之助の友情、武士道、貞の武士の妻としての姿。全てがかっこいい。あの最期が、高木と竹之助にとって最も良い形だよなあ、と。我慢できませんでしたね。
新年早々、とても良い会に行けました。今年も講談をたくさん聴きに伺います。それではまた。