伝統YOGAクラスの近況 ➎ 本学における伝統YOGAの定義
初めに読むこと【noteに投稿する私の記事等の著作物の閲覧・引用及び利用・実践等の注意事項】(2023年5月25日更新)
本日は、過去に開催された西山弘一の伝統 YOGAクラス(土曜クラス)での質疑応答を公開致します。テーマは『 伝統 YOGAの歴史(エビデンス)』のお話です。
受講者の質疑は次の通りです。
❝ 伝統 YOGAの歴史 が 3000年~4500年の唯識論哲学のエビデンスに基づくYOGAである ❞ と仮定したとき、具体的にどんなエビデンスがありますか? YOGA理論のリサーチの指標を開示して下さい。
素晴らしい質疑ですね。――― 西山の応答は次の通りです。
凡そ次の3つです。
① インターネットなどで検索出来るエビデンス
【長所】概ね手軽で分かりやすく情報を引き出せる
【短所】少なからず情報に間違いや虚偽がある
② 書籍や講座・本学(伝統YOGA クラス)などから学べるエビデンス
【長所】概ね時制や目的に即した情報を得ることが出来る
【短所】情報収集に費用と時間がかかる場合がある
③ 宗教の秘密のエビデンス
【長所】概ね主神を祈念するYOGAの本格的な実践が出来る
【短所】覚悟(取り組み方)と適性によって成果が異なる
伝統 YOGAの具体的なエビデンスは多岐に亘るため適性に応じて開示致します。まずは、自らの適性YOGA を発見して質疑しましょう。───
伝統YOGA とオリジナルYOGA を 敢えて強引に分類するなら 「解脱者の有無」です。伝統YOGA は 解脱の成就者が 「このように実践するなら 解脱出来る」と教えたYOGA で、また、その教えによって 現に解脱を成就した方がいらっしゃると云うYOGA です。そうでないYOGA は、どんなに偉い方がまとめたYOGA の体系でも、すべてオリジナルYOGA です。時代が 古いか新しいかではありません。
今日、日本の一般的な YOGA スタジオで指導されている YOGA は、ヒンドゥー教徒でもなく求道者でもない 多くのインストラクターが、エクササイズと称して行なう 甚だしく信仰心や哲学性が欠落しているYOGA です。自らは キリスト教徒や仏教徒でありながら、ヴィシュヌ派などのマントラを受講者に唱えさせていることがあります。教えている先生がヴェーダ聖典すら殆ど読んでいないばかりか、何の儀礼も行なわずに YOGA は 信仰がなくても実践出来るなどと平然と言い切っています。さて、こんな姿勢で本当に素晴らしいYOGA に取り組めるのでしょうか?
日本人は、信仰心がないわけではないのですが、先の二次大戦での敗戦の痛手(日本帝国主義の崩壊)や、戦後も、その追い打ちをかけるように勃発した新興宗教団体の数多の不祥事によって、宗教アレルギーの方が少なくありません。YOGA を健全に普及させて行くことと、YOGA をビジネスとして成立させて行くことが、近年のYOGA ブームの波を起こす 二者不可欠な課題であったはずなのですが、YOGA をビジネスとして成立させて行くことについては 一応の成功をみたものの、YOGA を健全に普及させて行くことについては 虚しく置き去りにされてしまった 傾向があります。
ただ、人間目線で解脱の成就者を特定することは困難です。したがって、本学では 百歩譲って、「解脱したと言われている(伝えられている)」或いは「解脱したと思われる」方が開示したYOGA の教えをそのまま学ぶと云う姿勢で、伝統YOGA の入門レベルの認識を共有しています。
実際のところの伝統YOGA に対する YOGAの実践者の思い入れは、個人的な信条や信頼関係によるところが大きいと言わざるを得ません。YOGA の道のプロセスにある者は、聖書や仏典などのヨーガ聖典(伝統YOGA のテキスト)を翻訳したり、解説を加えたりして、解りやすく便宜を図ったつもりでいます。しかし、これには大きな落とし穴があります。翻訳や解説を行なうことが正しくないとまでは言いませんが、信条の違いによって、誤解を生んだり、つまらない論争になったり、拗らせれば 宗教的な対立や国家の内戦、世界的な戦争にまで突入して行く虞があります。
本学では 宗教的な個人の信条を問わず、宗教書を含む 伝統YOGA の聖典やYOGA の成就者(様々な宗教の聖者)の伝説や 信頼出来る学術的な見識を適宜に明示して、純粋に真理を求める姿勢を失わずに 柔軟で理知的な心で 伝統YOGA の真実を探求して行きます。
当然ですが、法令遵守は言うまでもありません。YOGAを学んでいる内に知らない間に犯罪者になっていたなどと云うような結末は 絶対にあってはならない のです。ただ、どれだけ 学問を究めた経歴があり、社会的地位にある方であっても、伝統YOGA について ❝ 自分は多くを修得していない ❞ と云う現実と向き合い、伝統YOGA 指導者の指標に則して 真摯に取り組んでいく努力(忍耐と研究と実践)は必要です。
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