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リリーのすべて(2015年)

トランスジェンダーを描いた作品。
異性愛者のエディ・レッドメインがリリーを演じたことで物議を醸しました。
性志向が同じ人しか演じちゃいけないという論旨は最近よく聞きます。
じゃ、戦争映画で、従軍したことのない俳優は兵士役に就けないってことになるのでしょうか?
ものすごく珍しい病気や境遇がテーマの映画だと、演じる人いないってことになるし…。
もちろん、同じ立ち位置の俳優が演じる機会が増えればいいと思います。

昔は、アメリカ人が目にテープ貼ったり出っ歯の入れ歯して、中国人や日本人(区別ついてない)を演じてましたね。
最近は、アジア人種の俳優がアジア人種を演じるのが当然になってきました。
また、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」で、ウンパルンパ役をヒュー・グラントが演じて非難されていました。
私は、あれは小人症の俳優が演じた方がよかったかなと思いました。
私は外見の特徴と、内面の特徴で分けて考えてるのかな…。
そういう問題でもない気がします。
ウンパルンパ問題の時に、小人症の俳優の方が言っていたのは、「当事者でない俳優が、当事者の俳優から仕事を奪っている」ということでした。
性志向は、明らかにしている人もしていない人もいます。
また、クィアの俳優がストレートの役を演じることはNGではないですよね。

そんなこと言うと、デンマークやパリ、ドイツが舞台のこの映画、劇中で使われているのはほとんど英語です…。
俳優たちもデンマーク人じゃないし…。
アンバーなんてどう見てもアメリカ人です。
言語は未だに英語ばかりですよね。
ドイツ軍の話だって、最初チョロッとドイツ語ですぐ英語に切り替わったり…。

…ということで、私は、エディがリリーを演じたことについては、特に問題あるとは思わなかったのですが…。
作中のリリーの扱いに、やや疑問を感じました。
エディ、キレイな顔ではあるけれど、背の高さやゴツさはどう見ても男性…。
リリーを知る奥さんや友達などが女性として扱う、のは分かるのですが、道ですれ違う人やパーティで出会った人たち、違和感感じなかったの?
特に当時まだ1930年代ですよね。
Wikiを読むと、実際のリリー、アイナーは女性的な顔つきと体と書かれているので、実際のリリーは人目を引かなかったのかもしれませんが…。
そういう意味では、ミスキャストという意見もあるかもしれませんね。
集客力も、エディがキャスティングされた理由の1つかなと思います。
今の若手イケメン俳優、顔だけでなく背が高いのもデフォルトですものね。

また、ハンスがビミョーに悪人顔なため、最後まで何かやらかすのかなと思って見ていたのですが、普通にいい友達でしたね。
「潜水艦クルスクの生存者たち」で、レア・セドゥの旦那さんだった人ですね。見たけど忘れてました…。

アリシア・ヴィキャンデルはこの役でオスカーを獲りましたね。
自分は夫を失いつつ、リリーに対しても葛藤しながら愛を注ぐ、難しい役を好演していました。
その後出産したりして、あまり見かけない感じですが、もっと活躍してほしいな。
華奢な体型だと思って見ていたら、バレリーナだったのですね、納得。
夫があのマイケル・ファスベンダーっていうのが羨ましい!

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