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老化のメカニズムと注入治療について

今日は私の注入治療についての考え方をお話しします。

近年、注入治療は飛躍的に進化しています。その理由の一つは、顔の老化メカニズムが解明され、治療方法がより効果的になったことです。注入治療を行う上で、顔の老化メカニズムを理解することはとても大切です。

顔面の老化メカニズム

顔の老化は、主に「萎縮(しぼみ)」、「下垂(たるみ)」、「拘縮(こうしゅく)」という3つの段階で進行します。それぞれの変化が顔の外見に大きな影響を与えます。

1. 萎縮(骨の減少)

30歳を過ぎると、顔の骨が減少し、骨吸収や骨損失が進みます。これにより、額の骨がへこんだり、こめかみの骨が萎縮して顔が平坦に見えたり、目の周りの骨が広がることがあります。また、上顎や下顎の骨も縮小し、後ろに引っ込んでいきます。骨は顔の軟部組織(肌や脂肪など)を支える重要な役割を果たしているため、骨が減少することで顔の形が変わってしまうのです。

2. 下垂(支持靭帯の緩み)

顔の骨が萎縮すると、顔を支える靭帯(筋肉や脂肪を支える線維)が緩んでしまいます。このため、脂肪が本来の位置からずれ落ち、シワやたるみが目立つようになります。

3. 拘縮(過剰な筋肉の収縮)

骨の萎縮と下垂が進行すると、顔の表情筋が過剰に収縮してしまい、シワが深く刻まれることがあります。初期の段階ではボツリヌストキシン注射で改善できますが、長期間放置すると深いシワが残り、治療が難しくなることもあります。

注入治療の目的

注入治療は、これらの老化メカニズムを逆転させるために進化しました。その目的は、顔の変化を改善し、若々しく美しい外見を取り戻すことです。

1. 萎縮した骨や脂肪の補正

ヒアルロン酸を使って、減少した骨や脂肪を補正します。これにより、顔に必要なボリュームが戻り、輪郭がきれいに整います。

2. 支持靭帯の補強

緩んでしまった支持靭帯を補強することで、顔の軟部組織を支え、リフトアップ効果やシワの改善が期待できます。

3. 筋緊張の拘縮解除

骨膜上にヒアルロン酸を注入し、骨の萎縮を改善します。これにより、筋肉や脂肪が正しい位置に戻り、過剰な表情筋の収縮を抑制します。場合によっては、ボツリヌストキシン注射を併用して、さらに効果を高めることもあります。

注入治療の効果

注入治療は、顔面の老化に対して効果的なアプローチであり、老化が進むことで生じる外見の変化を改善するための重要な手段です。

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