好きな詩 『赤とんぼ』
童謡 赤とんぼの歌詞が好きです。
「夕焼け小焼けの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か
山の畑の 桑の実を 小かごに摘んだは まぼろしか
十五でねえやは 嫁に行き お里の便りも 絶え果てた
夕焼け小焼けの 赤とんぼ とまっているよ 竿の先」
(作者 三木露風)
おそらく自分で気づいたことではなく、
どこかで読んだか、聞いたことだと思うのですが(詳細は記憶していません)、、
夕暮れ、目にした赤とんぼから、幼い頃の思い出の世界に入っていく。
歌詞の2番では、過去の情景、出来事を思いだす。
まぼろしとも思えるような、おそらくは、今の自分からは遠く隔たった記憶。
3番ではさらに深く思い出の世界を旅しているかのような歌詞。
そして最後の4番で、目の前の世界に戻ってくる。
描かれているのは、おそらくは、ほんの一瞬の心の動きであったと思います。
しかし読みながら、自分もまた同じように記憶を遡って、忘れていた光景に出会い、普段は思い出さない人を思い、懐かしさと寂しさを持って目の前の光景に戻ってきているような、そんな気分にさせられます。
読み手がそうとは気づかないうちに、心の中を旅させてくれる詩だと思います。