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あふれる。

たとえば

すべてを包みこむような
お風呂場いっぱいの湯気。

私と世界が溶け合うような時間。

たとえば

そこにいるだけでまわりを照らすいのちの輝き。

誰にも気づかれないほどにさりげない、心遣い。

そんな

私の心に触れる美しさ。

美しいものを
美しいと感じられたとき

体の真ん中から湧いてきたあたたかいものが、じんわりと体の隅々まで染みわたっていって

そのまま、溢れてしまう。

それは

目に見えないのに
きらめいていて

肌で、心で感じる美しさに
たまらなくなる。

私のことばの外にある
美しいもの。

それはぜんぶ、私が生きるためのだいじな養分。

その美しさを味わうとき

私は、わたしが生きていたことを思い出す。

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