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いつも心にスティーヴン・ジェラードを
恥の多い生涯を送ってきました、と太宰治は記したけど、わたしも恥だらけ失敗まみれの人生です。
皆さんはもうダメだと思ったときに、励ましてくれる試合はありますか。
わたしはUEFAチャンピオンズリーグ2004-2005です。
ACミランvs.リバプール。
あの決勝をテレビで見てから、いつも心にスティーヴン・ジェラードが住み、もうダメだと思ったときに、腕を上げて鼓舞してくれるようになりました。
前半だけで3点とられて、3-0になったって、終わりじゃない。そんなことを誰かが言葉で言っても、信じられなかった。
でも、大観衆が見守る中、それをやって見せたリバプール。
3-0になったとき、ドイツの自宅でテレビを見ていたわたしは、もう終わったと思った。2005年はまだブラウン管テレビだった。ドイツの電気店で注文して、届いたら黒だった。シルバーのテレビを注文したのに。
思い通りにいかないし、自分の意見も主張できない。
そんな黒いテレビで見るチャンピオンズリーグ決勝。
3-0で迎えた後半54分、まずはリセのクロスからジェラードがヘディングで1点返し、大きく腕を振ってチームを鼓舞すると、次いで56分シュミチェルが2点目を追加し、その後ACミランのガットゥーゾがペナルティエリアでジェラードを倒してしまう。PKを任されたのはシャビ・アロンゾ。このときの緊張した面持ちは今でも忘れられない。
アロンゾのシュートはジダにいったん止められるが、アロンゾはこぼれ球をゴールに押し込んだ。
PKを外した後に押し込んでいいんだ。
サッカーのルールを始めて認識するサッカーど素人の自分。
3-3の同点となり、延長戦に突入するも、決着がつかずPK戦へ。そして、GKデュデクの好セーブもあり、リバプールは優勝カップを掲げることに。
自分はジェラードにはなれない。だけど、もうダメだと思ったとき、心の中のジェラードがまずは最初の1点、今できることに集中するよう励ましてくれる。
そして、アロンゾ。
ものすごく緊張する場面では、いつもこう思う。
チャンピオンズリーグの決勝で、PKを蹴るわけじゃない。
しかも、これを決めれば同点という場面でPKを蹴るわけじゃないんだ。
もし、失敗したって、こぼれ球を押し込むことができる。
また、チャンスがあるんだ。
自分の人生はささやかなものだけど、ささやかなりのチャンスがある。
これでもうお終いだってことはないんだよって。
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この2005年決勝、リバプールでスタメン出場したのがハリー・キューウェル。ケガ明けのせいか前半で交代したけど、あの歓喜の日を体感した選手のひとりです。
今年は監督として、どんな新しいアイディアでJリーグを沸かせてくれるか楽しみです!