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『消えない記憶 - その後の2人』

『消えない記憶 - その後の2人』


夜景の煌めきが、高層マンションの窓から見える。
彼の部屋は、想像していたよりも洗練されていた。


「シャンパンを開けましょうか」
背後から聞こえる、グラスの音。
振り返る勇気が、まだ持てない。
窓に映る自分の姿が、
どこか違う女性のように見えた。


微かな栓抜きの音。
シャンパンの泡のような、
儚い気泡が、胸の中で弾ける。

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