石の家
ワタシは石が積み上げられられた階段を登ります。
小さな私には急すぎる階段をダラダラと行き先も見えずに歩きます。
泣いていかもしれません。
慰める人どころか誰もいません。
石だけは沢山ありますが、何も音はしません。
私自身の息遣いも鼓動も足音すらしませんでした。
四角い石が段々と大きくなっていきます。
その大きさは人が住めるくらいで、扉らしきものが見えた時には凄くホッとしたのを覚えています。
扉を開けると、何も無い部屋だった埃だらけの空間ですが、気にはなりません。
奥の粗末なベッドが私のゴールでした。
カビ臭い埃だらけの布団を被り…2度と目が覚めない様にと幸せな気持ちで眠りにつきます。
出来る事ならば何も無い部屋の中で石みたいになっていれれば最高に幸せでしょう。