欲張る
偶像化。
卑怯な偶像化。
逃れたかったはずのレッテル貼りを自分がしている。
思い込み。不器用な希望。叶わぬ願い。歪んだ思考。
苦しくて、悔しくて、二度とするものかと逃げた先。
結局は自分も、あの嫌いだった奴らと同じじゃないか。
「恋なんて、勘違いの末路ですからね。するもんじゃあ、ないですよ。」
憧れの人が放った言葉。
誰に向けたわけでもなく、その場に突如として現れた言葉。
この人には届くことがないのだと理解した瞬間。
絶望、いや、それよりも、腑に落ちた。
届いたら現実を知る。
ヒトが他人とうまく付き合っていくには、程よい距離感、もしくは諦めが肝心。
理想を押し付けては、望みを叶えてくれるよう期待しては、それが叶わぬと知った時にいとも容易く崩れる。
期待もしない、ただフラットに生きる。
そうしようと決めていたはずなのに、自分の心はまだ諦めが悪いようで、理想に拘泥している。
足るを知る、その境地はまだ遠い。
明日は晴れるだろうか。