行動経済学が最強の学問である
今回選ばれたのは、「行動経済学が最強の学問である」
こちらの本になっております。
人はなぜ「非合理な意思決定」をしてしまうのかを分かりやすく、例題を踏まえて教えてくれています。
行動経済学なんて難しそうだなと思っていましたが、いざ読んでみると「面白い」と単純に思える内容になっていました。
システム1vsシステム2
冒頭のクイズに「野球のバットとボールが合わせて1ドル10セントで売っています。野球のバットはボールよりも1ドル高いです。
別々に買ったら、それぞれいくらでしょう。」とあります。
私は直ぐに「バット1ドル、ボール10セント」と思ってしまいました。
多くの方も直感的に同じ回答になったのではないでしょうか?
正解は「バット1ドル5セント、ボール5セント」
少し落ち着いて考えれば簡単な問題なのに反射的に答えを出してしまいました。
そもそも人間の脳には2つの思考モードを使い分けている。
直感的な判断は「システム1」、注意深く考察して判断するのが「システム2」
日々多くのことを意思決定をしている。それら全てに「システム2」で意思決定を行うと脳への負荷があまりにも高い。だから反射的に判断出来る「システム1」が備わっている。
ただ、結果として「システム1」には思い込みや偏見が入りやすい。それらを避けるのは難しいが知っていることで判断の助けになる。
ホットハンド効果
ある事象が連続して起きると、次も同じことが起きると思い込んでしまう認知のクセ。
成果を上げ上手く行ってる人は、次も出来るに違いないと自分も周りも思い込んでしまう。
確証バイアス
何かを思い込んだら、それを証明するための根拠ばかりを集めてしまう。
面接では、その人が仕事でどんな能力を発揮するかを評価しなければならないが面接官が面接相手を単純に「好き嫌い」だけで判断しがちだという調査結果がある。
その人を気に入ったら、何となく「もっと気に入る理由」を探してしまう。
人は「非合理な意思決定」をしてしまう生き物だということを前提にその要因として「認知のクセ」「状況」「感情」にあると本書には書かれています。上記にそのごく一部を掲載しましたが、なるほどと思うものばかりでした。
だけど、そのどれも普段は特に意識していないので、どれだけ多くのバイアスに影響されているのかと驚愕しました。
この「非合理な意思決定」をなくす事は出来ないが、意識することで誤った判断を避ける助けになると思う。そう思わせてくれる本書でした。