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”PBLは儲からない”という常識をひっくり返す。事業開発としてのCOLEYOという選択肢。

【COLEYO代表 川村より】

僕らの提供するPBLは、個別最適で子どものモチベーションファースト。なので、理想の教育の形でありながら、ビジネスとしては非合理。素敵だけど、教育市場の中でも特に儲かりづらい、という側面があります。実際、創業から3年くらいはかなりジリ貧でした。
学生時代にstudioあおで働き、そんな貧乏時代も見ているしばくん(柴橋)が、なぜBenesseという教育のトップ企業からCOLEYOに転職してきたのか。PBLのどこにビジネスとしての可能性を感じたのか。それをどう実現していくのか。を深掘りました。

柴橋和樹(しばはしかずき)
同志社大学政策学部卒。大学在学中に、studioあおにてインターンシップを経験。その後、2020年、ベネッセコーポレーションに新卒入社。オンライン講座の企画・情報誌の編集を経て、マーケティング部門に異動し、集客施策の調査、企画、設計に携わる。2023年にCOLEYOにプロマネ(事業開発)としてジョイン。

科目学習ではない、新しい教育手法”PBL”
未来のために必要な、教育の役割をみつけた瞬間。

僕がCOLEYOと、厳密に言えば、いまの代表のてつさん(代表川村)と出会ったのは、大学生のときでした。

自分が将来一番に熱中できることを見つけたい、そんな一心で、大学1年生のときからインターネット関連の営業や、NPO団体の人事など、いろんなインターンや活動に参加していたとき。偶然、関西のテレビ番組で「studioあお」のPBL(プロジェクトベースドラーニング。studioあおで実践している課題解決型学習の手法)が特集されていて、この教育の手法を初めて知りました。

僕が抱いていた、いわゆる国語や算数のような、科目を教える授業のイメージとは大きく違って、生徒自身が自分のやりたいことを発見して、自らプレゼンして、お金や労力を投資して、企画を実現させるという教育の在り方を見て、こんなことを実践してやっている人がいるんだということに、その当時の僕は、とても感銘を受けました。

加えて、インタビューで番組に出ていたてつさんは、なんだか前向きで朗らかそうな人柄で、大変なこともたくさんあるはずなのに、自然体でやってのけてしまうような不思議な魅力もあって。あ、この人に会ってみたいなと思って、てつさんにDMを送っていました。今思えば、ちょっと大胆な行動かもしれません(笑)

僕は、もともと教育にすごく興味をもっていたというわけではなかったのですが、学生時代、NPO団体で人事の仕事を担っていたときに「スタッフ教育」というパートに面白さを感じて、人材や教育に興味もあったこともあり。偶然が重なって、そんな連絡に至りました。

子どもたちの表情、成長を生で見て実感した、
PBL(プロジェクトベースドラーニング)の価値。

それから実際に、てつさんとの面談を経て、インターン生として”studioあお”に参加することになりました。当時はまだてつさんが個人事業主的に塾としてやっていた時代で、まだビジネス的にはギリギリ成立しているような段階。まだ手探りで続けているときだったと思います。
そこからインターン生としてPBLの推進を一緒にやらせてもらいました。着物屋さんと一緒に授業をしてみたり、小説を書く講座を開いてみたり。自分自身のつながりと、子どもたちのやりたいを生かした企画も何個か組んでみて、毎日が楽しかったですね。僕としては講師をしている、先生をしているというような感覚というよりは、子どもたちとプロジェクトをやっているという感覚でした。
”studioあお”のプログラムの何が面白いかというと、企画コンテストのように単に考えて発表するという仕組みではなく、実際にその子どもたちと一緒に悩んだり、投資したりして、実践させていくところ。これが、子どもたちを本気にさせる仕組みになっています。
 半年に1回、全員に向けた「プロジェクト報告会」という、子どもたち自身が、自分の言葉で自分が企画したこと、やったこと、成果を報告していく場があるのですが、僕はこの瞬間に初めて立ち会ったときに、とても感動しました。子どもたちが、始めたころよりも、ずっとずっと成長して、目をキラキラさせている。今まで僕が考えてきた教育とはぜんぜん違う、新しい教育の形でした。今でも、たぶん僕は、この瞬間が一番好きなんじゃないかなと思います。

そこから、将来は教育の領域で仕事をしてみたいと思うようになりました。ただ、僕は講師をしたり、たとえば教員免許をとって学校にいったり、というのはあまりピンと来ていなくて。これは僕自身の特性もあるかもしれないけれど、もっとビジネスや事業として進化できるように企画するような関わり方をしたいなと思ったんですね。
教育には未来がある。僕が一番納得できる社会に対しての貢献の在り方だったから。これに対して、自分の力を尽くしてみたいと思うようになりました。

そんな軸を持ちながら、就職活動を経て、新卒でベネッセに就職しました。ベネッセを選んだ理由の1つは、教育業界において、最もビジネス的に大きな規模で成功している会社だったから。きっとここで学べることが沢山あるんじゃないかって思ったんですよね。自分が教育に関わる仕事をするとしたら、いい経験になるはずだと思っていました。


マーケティングで圧倒するか。
唯一無二のコンテンツを提供するか。

僕は、ベネッセで様々なことをやらせてもらいました。オンライン授業の企画に携わって、子どもたちが学びを続けられるような仕組みづくりをしたり、マーケティング領域でどうやって新規獲得をするかという調査や施策の提案をしたり。僕の基本的な企画力を鍛えていただき、すごく良い経験になりましたし、この経験から、ビジネスとして教育を成功させるポイントがわかったような気がしています。

僕の中でのポイントとしては、マーケティングで圧倒するか。唯一無二のコンテンツを提供し続けるか。その2つの方法だと思っています。
ベネッセは特に前者がすごい。もちろん、コンテンツに妥協をしているわけではないですし、やり続けられる仕組みをいれたり、質のいいものを提供はしていますが、探せばもっといい教材はあるんだと思うんです。でも、非常に細かなマーケティングの戦略があり、子どもたちに「ちょっと頑張りたいな」と思ってもらうための仕掛けがあり、その1つ1つに絶対に妥協しないことに、あの会社の成功はあるんだろうなと思ったんです。
一方、逆に言えば、ベネッセにはできないこともあって。それが、1人1人に合わせた唯一無二のコンテンツを提供していくことなんですよね。こういうことを学んだらいいよ、というオススメをするとか、教材を組み合わせるとかは、テクノロジーの進化でできるかもしれないけれど、1人1人の本当にやりたいことを踏まえた、オーダーメイド型の教育コンテンツを提供するというのは、人材の育成や場の設計、仕組み化も含めてなかなかできることじゃない。
だから、回り回って、COLEYO、”studioあお”のやり方はすごく可能性があるんじゃないかって思ったんですよね。世の中にPBLの考え方をベースにしたプログラムは増えてきていますが、本当に実現・実践を支援し、そのPDCAを回そうとする仕組みは、唯一無二でした。加えて、それをまだ小規模ながら、PBLをビジネスとして成立させ、企業として大きくしていこうとしている。そこに可能性を感じました。

「PBLは儲からない」という構造を変えることで、
もっと良い教育を社会に届けていく。

これは、僕の学生時代の感覚では気付けなかったことなんですが、PBLって真面目にやると全然儲からないモデルなんですよね。生徒のモチベーションに向き合うスタッフ個人に依存しすぎたモデルだと、どんどん利益度外視の手厚いサポートになってしまう。それはある種の自己犠牲、やりがい搾取を続けることになってしまうので、仕事にならない。つまり、続けられる人が少なくて広がらないんです。でも、じゃあビジネス的に成立するようにしようと思うと、PBLのエッセンスだけを取り出して汎用化しよう、というのがセオリーだとは思うのですが、そうすると子どもたちに本質的な体験を届けられない。PBLは理想の学習だと誰もが思っているけど、広まらないのはこういう構造があるからなんです。
ここに、COLEYOは本気で向き合っていて、いま子どもたちのためにという価値はぶらさずに、ビジネスにしよう、仕事として儲かる仕組みをちゃんと作ろうという、ものすごく難しいお題に取り組んでいる。これが、本当にできるなら、こんなに社会にとって良いことはないと思います。
逆に言うとベネッセと同じビジネスモデルにはできないので難しい部分はあると思うんですが、でも、できないからこそ、ビジネスとして成り立たせる意味があると思うし、チャレンジする意味があるんじゃないかって。自分の中ですごくはっきりとした軸が生まれてきたんです。

それでまた、てつさんに連絡して。また一緒に仕事したい、とお伝えしたんです。
僕が考えること、やっていきたいこと。今後はいち講師としてではなく、事業をつくる側として携わりたいなと思いました。
あと、僕はstudioあおを見ていて、てつさんを見ていて、子どもたちの価値を損なうようなやり方だけは絶対にしないっていう信頼感もあったと思います。儲けるは、世の中に広げるための手段で、目的はあくまでぶらさない。そこも、選んだ理由の1つかもしれません。

多角化する事業体。
その中でCOLEYOのあるべき姿をどこに置くか。

僕がベネッセにいた4年の間に、当然、COLEYOもかなりの進化を遂げていて、戻ってきたときにまずはそこに驚きました。”studioあお”という教育基盤を持ちながら、よのなか体験教室”タッチ”という新しいプログラムをスタートしたり、あるいは、大手企業と協働でプログラムのコンテンツを企画するような事業を進めたり。1つの塾として成り立っていたところから、会社や事業になってきているんだな、と感じたのが、率直な感想です。そういう意味では、COLEYOが社会に提供したい価値は、より立体的に提供できるようになってきていますよね。

他方で、僕としてはもっと”studioあお”に代表されるような、COLEYOじゃないとできないことに目を向けてもいいんじゃないか、と思っています。
さっきもお伝えしたように、教育業界ではコンテンツは非常に模倣されやすい。コンテンツの独自性は、競争優位性にすごくなりづらい環境。もちろん、ユーザーの体験はコンテンツだけでは成り立たないので、その提供の仕方でいかようにでも差別化もできる部分もあると思うのですが、それでも真似されやすく、脆い部分はあると思います。
他方で、僕は”studioあお”で見た、あの唯一無二の体験そのものは、どこにも真似のできない教育の在り方の1つだと思っていて。すごく強いコンテンツになっていると思っています。だから、事業が多角化していくと同時に、”studioあお”そのものをビジネスとして成立させ、より筋肉質に、強い事業にしていきたいという気持ちがあります。

”タッチ”や、企業とのコラボレーションを通じて、子どもたちにとって「社会に興味を持つきっかけ」を提供することも、もちろん必要です。でも、僕はその次の「興味を持った」という段階から、「やってみる」にきちんとつなげて欲しい。だからこそ、この”studioあお”が必要だと思いますし、事業体として世の中に成立させていく必要があると思っています。

”studioあお”の企画・経営を通じて、
COLEYOのビジネスをもっと大きく、進化させていく。

そんな思いや背景もあって、現在、僕は”studioあお”の企画・運営に携わり、ここのさらなる拡大を目指すミッションを持っています。ユーザー集客、教室システムの整備、講師育成、継続率を高めるための仕組み作りといった企画の部分から、講師のシフト管理など運営実務に関わる部分まで。持っているKPIは様々で、やらないといけないことも沢山ありますが、そこはベンチャーらしくて、面白くやらせてもらっています。自分の意見がダイレクトに反映されるし、そのスピードも早い。僕もインターン生として関わっていたころとは違って、事業の数値をみたり、スタッフのマネジメントの部分をやらせてもらったり、そういう意味では求められる視野も視座も変わっているので、難しい部分もありますが、やりがいのある環境だなと思います。

”studioあお”を大きくしていくために、1教室あたりの受入人数を増やせるような仕組みを整備するのか。新しい教室をオープンするのか。あるいは、のれん分け的にこの事業を拡大していくのか。方向性はいくつもあって、もちろん1つでもないし、全部やらないといけないのかもしれません。そんなことを考えながら取り組んでいます。

「すべての才能に目を向けよう」というパーパスを信じられるか。
その中で、自分は何をしたいか、どうありたいかを考える。

COLEYOには強いパーパスがあって、僕たちの会社はそのパーパスに則って、1人1人が自分がどうしたいかを決めています。子どもたちに自分たちが実践者となって直接届けたいと思う人もいれば、仕組み側に立ちたいと思う人もいる。逆を言えば、役割を与えられて、そのとおりにすればいいという環境ではない。なので、まずはパーパスを信じられるか。COLEYOの提供する教育を信じられるか。そこに自分はどう関わりたいと思えるか。そのあたりの気持ちが、とても大事かなと思っています。
もちろん、実際の教育の在り方を僕のように事前に見たことがあるという人は少ないと思うので、まずは興味を持ってもらえたら、教室や現場を見に来てもらうことが一番手っ取り早いと思います。そこで信じられるかどうか、決まると思うんですよね。

僕が、COLEYOにジョインしたのは、ビジネス的に面白いからっていう部分もあるとは思うのですが、何よりも僕は、インターン生のときに見たプロジェクト報告会での、子どもたちの成長が忘れられないんだと思います。あんなに、すばらしいコンテンツは他にはないって信じられる。そんなことって、なかなか無いと思うから。
だからその教育を、ビジネスとして成立させたい。ビジネスの素晴らしいところは、良質なものをとことん追求し、持続的に提供できることだと思うんです。だから、そういう仕組みを通じて、子どもたちに良い教育をもっともっと提供して、社会に貢献していきたいと思っています。


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