6章 アタリは 「自分の意志」で引く ※出版記念 無料チラ見せ公開※
世の中なんて、だいたいガチャだ。
それでもわかっておいてほしいのは、
大人だって、君に「ハズレ」を引かせたいわけじゃない。
彼らはただ、立場や役割や価値観や仕組みの関係で、
社会のしがらみがあったりするから、
みんなにアタリを出せるわけじゃないみたい。
だから君にとっては、「ハズレだらけじゃん!」と思うことは、
いくらでもあると思う。
でも、それが社会の前提だとしたら、君はどう生きていく?
ぼくは「ハズレっぽいもの」も、自分でアタリにすればいい、
と考えているんだけれど、君はどうだろう。
最後に一緒に考えよう。
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▶️「ガチャ」のアタリはどこにある?
「ガチャ」という言葉は、いろんな場所で使われている。
ぼくが触れてきたガチャは、何が出るかがわからない面白さが魅力だったけれど、最近では「運の悪さや失敗」と同じ意味の言葉になっている。
親ガチャや教師ガチャ、学校のクラスもガチャ……。社会人になってからも、上司ガチャとか配属ガチャ、勤務地ガチャなんて言葉もある。
まさに現代は、「ガチャ時代」。
どのガチャにも共通するのは、“引いた人たちが嘆いてる”。
「もう終わったわ……」
「こんなの無理ゲーやん」
「諦めるしかないか……」
……って、本当にそうなのかな?
ここまで読んできてくれた君には、気づいていてほしい。
「ハズレ! 以上! 終了!」だと、そりゃ物語は動き出さない。
「どうせ、これ以上ガチャを引いたって……」とか「当たる気がしない」とか「他の人は良いのを引いてるのに」って思っちゃうと、そりゃ「よっしゃ! もういっちょ!」には、なりにくいのはわかる。
「でも、そもそもそのガチャを引きたいんだっけ?」
「他にも面白そうなガチャがないか探してみない?」
「その“ハズレっぽいもの”は、本当にハズレなの?」
「じゃあ、どんなガチャなら楽しめそう?」
「自分にとってのSSRは、何だろう?」
「引いてしまったハズレは、どうしようもない?」
「みんなに伝えてみたら、どんな反応がありそう?」
「一緒に面白がれる人は、いないかな?」
1回や2回、何なら3回や4回くらい、だいたいのガチャはしっぱいする。だから最初の方はしっぱいだらけで、次のガチャを試すことさえ嫌になったり、怖かったり不安になったりもする。
子どものうちであるほど、ガチャの影響が大きく感じるものだし、歳をとるほど引くガチャのリスクが大きくなる気もする。
ただ、ガチャはどこまでいってもランダムで運だから、引き続ければアタリは出る。
ここまでの話を踏まえて、ぼくが考えるガチャへの向き合い方。
「小さいガチャから引いてみよう」
「どんどん何度も引いてみよう」
「引いたものを、後からアタリにすることもできる」
人生なんて、これからずっとガチャの繰り返し。
それなら、今のうちにしっぱいのハードルを下げて、変なガチャをたくさん引いておいた方がいい。さっさと「いっぱいしっぱい」していこう。
▶️「大学ガチャ」の使い方
今の君は、勉強をしながら志望校や進路を考えていると思う。
この先、君が行きたい大学に行けた場合でも、そうじゃなかったとしても、今のうちに伝えておきたいことが、ふたつある。
「大学って、君が思うほどには大差はないよ」
「良い大学(生活)になるかどうかは、運しだい」
「どの大学に行ったらいいか」、「良い大学生活を送るには?」って、実は大学名や偏差値の高低にはあんまり意味がないし、大学そのものの影響は、ほとんど運といっていい。
このガチャ時代では、もちろん大学だって「ガチャ仕様」だ。
入学式や初めての講義で、隣の席に誰が座るか。
どんなサークルに、どんな人から誘われるか。
初めての飲み会で、誰とどんな話をするか。
出会う人や話す内容、読んだ本や飲むお酒、友だちの知り合いにどんな人がいて、その人と会うかどうか、合うかどうか……。
ちょっとしたことで大学生活は変わるし、ほとんど運だ。
大学の偏差値や知名度の高低で変わる要素なんて、ほんの数パーセントくらい。ただ、その「ほんの数パーセント」が、人によってはそれなりに影響があるみたい。
その数パーセントの影響とは何か。
というと、それは「自信」。
競争率の高い有名大学と、そうじゃない大学の学生の大きな違い。
自信の有無で、運の引きは変わる。とぼくは考えている。有名大学のメリットの7~8割は、自信を得られること。
簡単な話。たとえば今の君が大学に入って、自分よりも偏差値の高い大学の学生と会ったら、どう思う?
もし「自分よりもできる人だ……!」とか「すごい人なのかも?」と自信がなくなってしまうとしたら、まだまだ偏差値の呪縛に囚われている。
うちの子どもたちは、相手が大学教授でも、その道30年のプロでも、どんな肩書きの人だとしても自分の興味だけで踏み込んでいく。むしろ、それで面白がってもらえている。
「誰かの信用」を得るには、そもそもの「自分に対する信用」、つまり自信がけっこう大事。
偏差値や大学名で、何かしらのコンプレックスをもってしまうと、伸ばせる才能も伸ばせなくなる。開くはずの可能性も開かない。会えるはずの人とも会えないかもしれない。
自信を得る方法は、ただただシンプル。
ただ「やってきた経験」の量。
「知ってること」が多いより、「やってきたこと」が多い方が、ちゃんと経験やリアルに根ざした自信になる。そのためには、いっぱいしっぱいするだけでいい。
▼続きの目次
▶️「良い大学」って、何だ?
▶️「500万円」のお買い物
▶️ 自分で「競技」を増やせばいい
▶️「お勉強」では自転車にも乗れない
▶️ 大学は「しっぱい体験」を増やす場所
▶️ いっぱいしっぱいすればいい
▶️「方向転換」はいつでもできる
◇ 3分コラム 10代の横顔 file.05「大人になるのを待たなくても、宇宙に近づける!」
◇ 5分ワーク アタリを引くための「しっぱいリスト」
メッセージ
▶️ 最後にもう一度 「しっぱいのすゝめ」
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