開運と笑いの噺

こりゃぁもう　開運には嗜好品じゃなくて　

必需品なのね

なぜ？って訊くかい　あんた？


はい　却下ねｗ


開運村には　演芸場　ちゃんと　ありますよ

五代目「古今亭志ん生」の独演会　しか　やってねぇけど

一応　個人名や会社名は　伏せるけど　実話ね


ある大手新聞社の元社長秘書が　同級生だったんだ


この社長は　後に　グループ全体の総帥まで　昇進した猛者ね


ある日　この女性秘書から　電話貰ってさ


「あ～た　志ん生って　解るぅ？」


「あぁ　ノガミ（上野）の鈴本が近ぇから　寄席には行くが　知らねぇなぁ」


うちの社長がさぁ

「お前は志ん生が解んねぇから　いつまでも　行かず後家なんだ！」

って　言うのよぉ


念のために　いや　本人の名誉のために　言っておくが


この女性は　相当美人だし　スタイルもイケてる


ただ　悲しいかな


男を見る目だけ　肥えちまって


そんじょそこらの男じゃ　飽き足らねぇんだな


このクラスのトップになると　付き合いの幅やレベルがダンチだかんなぁ


同級生なんて　タダの　ガキよ


っつぅことで　アタシゃ　全く　相手にされなかったから　

無罪ね！

（じゃぁ　有罪って　なんだよ！！！）

なんでも　この社長　新聞社の社長になるまえに


修行兼ねてだろうが　子会社のレコード会社のトップに　出張ってたらしい


初めての企画会議に出席して　開口一番

「あのね　五代目古今亭志ん生の全集　作ってくんねぇ？」

と　始まったらしい


企画会議なんてぇのは　その道の精鋭プロ集団だ


今　何が売れるか？　感覚が研ぎ澄まされている


「社長　今の時代　そんなもの　売れる訳ありませんよ」


と　一笑に付されたんだと


しかしこの社長　やはり　モノが違う


笑顔で　「責任は自分だから　作ってくんねぇかなぁ？」


と　やんわりお願いした


「だからぁ　売れない　っつってんでしょ！」


こういう猛者に


三度目は　　　　　　　　　


無い！

「テメェら　飛ばされてぇのか　おらぁぁぁぁ！」

ということで　（強制的満場一致で）全集製作が決定　するわなぁ　そりゃ


「五代目古今亭志ん生」全集　


確か　４５巻　くらいかな


予想とおり？　いや　予想に反して？　

バカ売れした

アタシも　恐る恐る　第１巻を購入


昔の録音だから　音質は決して良くない

で


飛んだ


いや　「布団が布っ団だぁ！」


じゃなくて　恍惚となって　確実にぶっ飛んだ

「今　最高の天才に出会ってしまった」と

のめり込むように　全巻購入


それ以来


この社長の　お見舞い品は　この全集に　決まったそうな


やはり　日本を背負うような　トップ集団の　付き合いだ


はぁ～んっパ　ねぇ　強者揃いだ

「どんな病でも　最高の薬は　笑い」


「ゲタゲタ笑って　早く退院してください」の祈りを込めて

という　訳　でぇ～

最短距離を最高速度で　開運してぇなら

村の売店で　「志ん生」CD　買ってくれ


もう　悩んでんの　バカバカしくなっから


ただしぃ・・・

電車で聴くなよ！　

腹　よじれっからな・・・