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幸運の女神が顕れたらガツガツしなさんな そぉ~と 幸福の三福で忍び寄れ

さてさて

とにかく ようやく  待ちに待った

開運があなたにやってきた としようか

今までの努力 忍耐 精進 が 走馬灯のように 心をよぎる

「良く耐えたなぁ あのどん底を」

そいじゃぁ 遠慮なく!

これ ダメなんだよなぁ



ここまでは

金魚すくいの 薄紙の上に 金魚が乗っただけ

ちょっとでも手荒く扱えば

薄紙はすぐに 破れる

そぉ~っと 自分の器に移す

これが大変

そうやって やっと 捕まえたから 後は自分のもの

これが一番ダメだな

やっと掴んだ幸運の取り扱い説明書は

昔から決まっているんだ

幸田露伴先生が「努力論」のなかで 教えてくださる



「分福」


せっかく頂いた福を

独り占め しちゃぁ 次の福は永遠にやってこない



分けるんだよ みんなで

そうすれば

あなたは

「幸せ配達人」になる


「こいつに 福を与えると 何だか 幸せな人が 増えるんだよなぁ?」



女神にそう思わせたら 最高だ


次は約束されたようなもんだ



「惜福」



今 目の前にある 福を 全部 取りきらない

必ず残す



リンゴが10個実ったからといって

全部もぎ取っちゃダメだ

せいぜい 7個まで


あとは茫洋とした未来に残す 任せる



「植福」



せっかく頂いた福

自分だけで

自分の代だけで 全て享受する

これも浅ましい行為なんだ



裏山に 檜の苗を植える

もちろん 自分でそれらを刈り取ることなど あり得ない

でも

自分の孫の代なら

立派に育っているだろう


子孫がその福を 何十倍として 受け取るだろう?



福は呼び寄せるのも大変

でも

もっと大変なのは

受け取り方 その使い方


幸運の女神は

ぜ~んぶ お見通しだからねぇ




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