ストレート男性のふりをする時
合コンという苦行
学生のころから、幹事役から参加を頼まれることがあった。僕はわりと見た目が中性的な方で、ごりごりの男性っぽい人が苦手な女性からは、話しやすい印象をもたれやすい。
当たり障りのない会話で、その場を凌ぎ、できれば一次会で帰りたい気持ちを我慢し、二次会まで頑張る。
合コンの雰囲気はつとめて楽しいノリで、でも女性からターゲットにされないように、なんとなーく壁を感じるような、プライベートをあまり明かさない人を演じる。そうすると大抵の女性は引いてゆく。
それでも、アプローチしてくる人がいる。いわゆる肉食系女子だ。
そんな女性に睨まれると厄介だ。出し抜けに2人でどっかいこう等と誘われないようにやり過ごすのだ。そして、常にゲイであることはバレないようにうまく会話をする。
合コンは男性をみて楽しむ
社会人になってからは頻度は減ったものの、交流会と称した合コンを企画する人がいる。取引先とかいろんな会社の人間が参加する建前上、断りにくい。大抵、男4女4、または男3女3。
僕は大勢でワイワイするのがそれほど好きでは無い。さらにゲイのため、女性を欺かないといけない罪悪感もあり、今でも合コンは苦手だ。
しかし、ある時から、楽しむコツを覚えた。それは、横に並んでる男性陣を観察して楽しむこと。みんなで楽しく会話し、女性に配慮しつつ、いろんな他社のイケメン社員をみて目の保養にする。我ながら器用なことができるようになったなと思う。
それからは、合コンスタメンの他社イケメン男性を好きになりかけた事もあった。いつも合コンばかりで合うから、彼の印象は横顔ばかり、なんとなく気になって仕方がない。目の前にいる女性を差し置いて、彼と2人で抜け出したいと思ってしまう。そんな経験もあるが、こうなってくると単純には楽しめないので、ある程度、自制が必要だと思っている。
下ネタ系のノリ
ゲイあるあるだと思うが、女性をネタにした下ネタ、性風俗、風俗まがいのサービスとか、そんな話題が苦手だ。そういう話題に合わせなくてはいけないのがゲイにとっては苦痛だ。
偏見で申し訳ないが、営業職についてる体育会系の奴にわりと多い印象だ。僕はそういう連中とはなるべく関わらないようにしているが、話の流れやその場の空気から避けられない場合もある。極端に嫌がるのは怪しまれるので、上手い具合に合わせるしかない。
「(体育会系)風俗いったことあるか?」
「(僕)無いけど、AVあれば全然満足できるから(ゲイビ)」
「(体育会系)どんなプレイが好みなんだよ」「(僕)前戯に時間をかけるのが好みかな(キスやフェラするされる)」
「(体育会系)見た目の好みのタイプは」
「(僕)中肉中背、肌がスベスベで、髪がわりと長い子(ステレオタイプのゲイは好みじゃない)」
こんな具合に、同性のことを想像しながら、まるでストレート女性のことを話しているかのように変換して、会話すればいいわけだ。
ここからは、僕がゲイバレに気をつけていることを書いてみる。
職場とその近辺エリア
職場やその付近ではゲイアプリはまず開かない(意中の人とやりとりしてるときは別としても)。アプリ画面を見られるというより、8%はLGBTといわれており、社内に同じセクシャルマイノリティの方がいてもおかしくないわけで(というか絶対いるはず)、うっかり近距離表示され、社内でゲイバレするリスクがあるからだ。もし同僚にアプリを使っている人がいることが分かれば疑心暗鬼になってしまい、仕事どころではない。
ちなみに、過去にアプリでのエピソードを書いたことがあるのだが、アプリの近距離表示は侮ってはならない。是非興味があれば見てほしい。
漫画アプリも要注意
ゲイでも、漫画アプリのBLコミックを読む人、読まない人さまざまだと思うが、僕はわりと読んでいる。
ニヤニヤしながら、BLの電子コミックを読んでる姿を目撃されてしまったら、the end。職場コミュニティにおける沽券にかかわる。
ゲイアプリよりマシとはいえ、
「いやぁ、BLって分野よく知らなかったけど、意外と面白いですねぇ・・最近流行っるらしいですねぇ・・」
などと、たまたま見た感を装って、必死にフォローするなんて虚しい限りである。
動画配信サービスは盲点
パソコン履歴から、ゲイがバレるなんてことは想像しやすいが、最近はAmazon primeやNetflixの動画配信サービスも注意が必要だ。視聴履歴やあなたにおおすめ映画リストに、同性愛をテーマにした映画やドラマがたくさん表示されていれば、バレる可能性が高い。アカウントを又貸しして、共有するなんて、もってのほか。
デバイスはロックをかける
つまり、スマホやタブレットなどは、ゲイバレする要素満載なので、万が一のため、立ち上げ時にパスワードをかけて、念には念をいれている。電子マネーやら、最近のスマホはサイフと変わらないので、みんなロックをかけているのかもしれないが、ゲイには必須だと思う。
noteについて
唯一、ガードが甘くなっているといえば、このnoteではないかとふと思った。まだ、僕は初めてまもないが、自分のことを深く知る人ほど、あれ?なんとなく◯◯さんっぽいなと、勘がいい人は気づかれてしまうかもしれない。
面白い記事ほど、その個人的なエピソードを書くことになるわけで、バレる可能性が高まる。
貴重な変わった体験ほど、自分のある意味で個性となるので、書きたいところだが、非常に悩ましい。
こんなところでも、クローズのゲイは制約があるのかと感じるが、今後も配慮しつつ、気ままに書いていこうと思う。